2019/7/12
今後、認定看護師制度がどうなるのかについての現場の看護師の関心は高い。2020年度から始まる新たな認定看護師制度では、特定行為研修を組み込んだ教育制度がスタートするが、同時に現在認定看護師を持っている人は、更新を受けて終生認定看護師のままでいる選択肢も残されている。所属する医療機関が認定看護師をどのように活用するかという方針にかかる部分もあるだろうし、現在の認定看護師がさらに特定行為を行える看護師になろうとするかどうかという意思の問題もあるだろう。ただ、日本看護協会としては、新たな認定看護師制度のための教育基盤の整備をはじめとして、新制度への移行を推進する方針である。当業務の担当の荒木暁子常任理事は、2019年度第1回記者会見で、「2025年までに新しい制度で5,000人程度の養成に向けて移行支援をしていく」と述べた。
この記者会見は2019年6月18日に日本看護協会JNAホールで行われたもので、再任執行部・役員の挨拶、新役員紹介の後、2019年度の重点事業として以下の項目が示された。
1.看護基礎教育制度改革の推進
1-1 看護師基礎教育の4年制化の推進
1-2 准看護師制度の課題解決に向けた取組み
2.地域包括ケアにおける看護提供体制の構築
2-1 地域包括ケアの実現を支える看護機能連携システムの構築
2-2 訪問看護師倍増対策の推進
2-3 母子のための安心・安全な地域包括ケアシステムの構築
2-4 地域包括ケアを担う人材の確保
3.看護職の働き方改革の推進
3-1 看護職の働き方改革モデルの検討
3-2 地域に必要な看護職確保の推進に向けたナースセンター機能の強化・拡大
4.看護職の役割拡大の推進と人材育成
4-1 新たな認定看護師制度の推進
4-2 特定行為に係る看護師の研修制度の活用の推進
4-3 ナース・プラクティショナー(仮称)制度の構築
また、新たな認定看護師制度の推進と同時に、特定行為研修制度についても支援を進める方針だ。当制度は施行3年を経過したが、指定研修機関は113個所にとどまり、修了者も1,205名と、当初計画の10万人台には遠く及ばない。その推進への支援策として、周知活動、指導者研修会の実施、研修修了者への支援等を挙げた。
さらに、福井トシ子会長は、ナース・プラクティショナー(仮称)制度の創設に向けた取組みを加速させる方針も示した。福井氏は、へき地や離島など医師の確保が難しい地域を挙げ、必要な人に必要な医療を提供できない点を指摘し、関係団体と対話を深めていきながら、理解を促していくという姿勢を強調した。
看護師の役割拡大に向けて、「新たな認定看護師制度」「特定行為に係る看護師の研修制度」「ナース・プラクティショナー制度の新規誕生」への積極的な姿勢が示されたといえる。
詳しくは、下記の日本看護協会Webサイト参照
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