2023/3/16
厚生労働省は、在宅酸素療法時の火気取り扱いに関する重篤な健康被害事例を公表するとともに、あらためて安全使用の啓発を行った(2023年1月12日付)。
在宅酸素療法中の火気取り扱いは、重篤な火傷や死亡に至る火災事故を引き起こし、非常に危険である。酸素濃縮装置等の各メーカーや一般社団法人日本産業・医療ガス協会等がさまざまな注意喚起を行っているものの、毎年、同様の事故が繰り返し発生している。
今回公表された事例は日本産業・医療ガス協会の集計によるもので、2022年1月から10月までの10カ月の間に死亡・重症(火傷)事例が6件あった。原因(推定含む)は、「喫煙」と「ガスコンロの引火」がそれぞれ1件、「不明」が4件だった。
厚生労働省は、在宅酸素療法を受けている患者やその家族等に注意してほしい事項として以下を掲げている。この対策について、わかりやすくまとめた啓発リーフレットも掲載されているので、ぜひ参照されたい。
1) 高濃度の酸素を吸入中に、たばこ等の火気を近づけるとチューブや衣服等に引火し、重度の火傷や住宅の火災の原因となります。
2) 酸素濃縮装置等の使用中は、装置の周囲2m以内には、火気を置かないで下さい。特に酸素吸入中には、たばこを絶対に吸わないで下さい。
3) 火気の取扱いに注意し、取扱説明書どおりに正しく使用すれば、酸素が原因でチューブや衣服等が燃えたり、火災になることはありませんので、過度に恐れることなく、医師の指示どおりに酸素を吸入して下さい。
患者や家族等に対し、在宅酸素療法時のリスクを十分伝えるとともに、禁煙指導を含め、安心・安全な使用方法の周知徹底を行ってほしい。
詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト参照
「在宅酸素療法における火気の取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003m15_1.html
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