2023/4/4
SNSなどで医療情報のあり方などを発信し続けている病理医ヤンデルこと市原真氏(札幌厚生病院病理診断科)と、COVID-19流行開始直後に新型コロナウイルスによって精神的加重がかかり、普段のその人らしくない行動をとってしまう状態をCIAMS(COVID-19/Coronavirus-induced altered mental status:シャムズ)と呼び、注意喚起した著書も出版している國松淳和氏(南多摩病院総合内科・膠原病内科)が、「これからの医療現場、これからの医療者」と題して、コロナ禍の3年を振り返る対談を行っている。
コロナ禍を振り返り、主に外来診療を行う國松氏は、自身や外来でともに働く看護師を含めて診療現場を、「通常業務にコロナ対応が加わり、業務量が増えて忙しくなった」と指摘する。そして、業務量が増えたなかで思い知らされたことが、医療従事者が知識や技術を身につけることの重要性だと言う。忙しいからこそ、必要な知識や技術をしっかりと身につけることで業務短縮につながる。そして単に業務が短縮されるだけでなく、そこに知識や技術ができるようになったことの“喜び”が生まれ、まさに一石二鳥だとも述べている。知識や技術を身につけるためには、本や雑誌を読むこと、そしてさまざまなメディアの信頼できる医療情報にアクセスすることが必要だと言う。
さらに、看護師の強みは「患者さんのなんとなく様子がおかしい」を察知する抽象的な能力=「直感」であり、そうした能力に磨きをかけるためにも、患者さんへのファーストコンタクトの際のアセスメント力を高めることの重要性を強調する。
対談では、この他に、医療従事者の「学び」の現状や、働きながら学ぶコツなどについても語られている。進行役の市原氏のウイットに富んだやりとりは、視聴者を飽きさせない。コロナ禍の医療のただ中にいて客観的に医師・看護師のあり様を見る両医師のクールな視座は非常に新鮮だ。同時に、看護師へのリスペクト溢れる温かいエールにもなっている。
対談の詳細はエキスパートナースONLINE FES2023
(https://www.youtube.com/watch?v=qqMXsXSOTfA&t=1s)にて2023年3月18日(土)から公開されている(YouTube上で全編無料配信中)。
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