2024/9/24
人生の最期の迎え方は多様化してきている。患者は終末期をどう過ごしたいのか、家族の意向はどうなのか、そして希望を叶えるために医療・介護職はどうかかわり、なにができるのかなど、個別性が大きく正解もない問題に悩む方も多いだろう。
日本終末期ケア協会では、患者を支え、エビデンスに基づいたケア実践をめざすスペシャリストとして、2020年から「終末期ケア専門士」の育成に取り組んでいる。活動のなかで課題としてみえてきたのが、「家族へのケアの悩み・葛藤」であった。患者への支援だけではなく、家族支援もまた、個人個人を見ていく必要がある。
このような背景を受け、同協会では「家族ケア専門士」の資格を新設することを発表した。患者だけでなくその家族もケアの対象であることを認識し、家族へのケアの手法や事例を学ぶことで、第三者として患者と家族に寄り添い、支援していくことができる人材を育成する。また、家族のかたちが変化していくなかで、変わりゆく家族の在り方についても学んでいく。
特に在宅の場では、療養者に同居家族がいる場合は家族がケアの主体となる。治療が主たる目的の病院とは異なり、療養者・家族の生活の場である在宅現場では、医学的正しさだけではなく、療養者・家族が実現・継続可能なケアを一緒に考え、提案していくことが大切だ。療養者への医療・介護面からの支援に加え、家族への支援が、在宅療養を継続していくための鍵の1つとなることを意識しておきたいものである。
詳しくは、下記の日本終末期ケア協会Webサイトを参照
新資格「家族ケア専門士」創設のご案内
https://jtca2020.or.jp/news/cat1/family-care-press/
【関連ページ】
●「最期まで自分らしく」をかなえる看取りケア~日常生活の延長線上にある看取りをめざして~
https://www.almediaweb.jp/endoflife-care/endoflife-care-001/
●看護師と地域連携で支える在宅ターミナルケア(終末期医療)の実際「住み慣れた環境で、さいごまで暮らしたい」を支えるために
https://www.almediaweb.jp/expert/feature/2404/
●高齢者施設・在宅におけるがん緩和ケアの基本 看護師だから知っておきたいこと
https://www.almediaweb.jp/expert/feature/2303/
●高齢者施設・在宅における看護師ができるがん緩和ケア:その症状どうする?
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