2024/10/8
株式会社TRデータテクノロジーは、全国約4.2万箇所におよぶ介護施設等(*1)を対象に、約50万人の退去者の退去先データを収集した結果を発表した。
(*1)特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、グループホーム、介護付有料老人ホーム(介護付)、住宅型有料老人ホーム(住宅型)、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
それによると、特養をはじめとした7つの施設タイプの介護施設等では、施設内で亡くなるケース(以下、死亡退去)が、調査した退去者の約半数にのぼる24万人(48%)を占めることがわかった。そのほか、医療機関への退去が28%、他の施設への退去が12%となっている。
施設タイプ別の退去傾向をみると、死亡退去の割合が最も多いのは特養であり、およそ70%にあたる12.6万人が死亡退去となっている。介護医療院も、死亡退去の割合が55%と高い割合にあった。一方老健は在宅復帰が目的の施設であり、死亡退去は12%程度で、医療機関(39%)や自宅等(32%)への退去の割合が多かった。
介護施設以外の民間施設でも、介護付および住宅型は死亡退去の割合が5割前後と高く、続いてサ高住4割、グループホームが3割と、合計約10.2万人がホーム内で亡くなっていることもわかった。
また、近年(2021年~2023年の3年間)開業した施設の退去傾向を分析したところ、住宅型の死亡退去の割合が多くなっていることも報告されている。近年、住宅型で主にがんの末期患者を対象にした「ホスピス型ホーム」が増えており、在所期間が短く、かつ、ホーム内で看取りを行う事業モデルが拡大していることが影響していると思われる。
超高齢化社会で地域包括ケアが推進されるなか、病棟以外の場での看取り件数は増加を続けている。終末期に必ずしも高度な救命措置を希望していなくても、看取りに慣れていない介護者が救急搬送を要請して本人や家族の希望とは異なる結果になることもあり、地域の課題となっている。
ケアに携わる看護師・介護士は、本人・家族の希望に沿った最期の実現へとつながるよう、看取り期の徴候をよく理解し、サポートしていくことが、今後、よりいっそう求められてくるだろう。
詳しくは、下記、株式会社TRデータテクノロジーのニュースリリースを参照
【全国4.2万ヶ所の介護施設等約50万人の退去先データを分析】退去者の約半数(24万人)が施設内で亡くなる。近年は特養以外で、看取り対応の民間ホームが急増。(2024年8月20日)
【関連ページ】
●「最期まで自分らしく」をかなえる看取りケア~日常生活の延長線上にある看取りをめざして~
https://www.almediaweb.jp/endoflife-care/endoflife-care-001/
●看護師と地域連携で支える在宅ターミナルケア(終末期医療)の実際「住み慣れた環境で、さいごまで暮らしたい」を支えるために
https://www.almediaweb.jp/expert/feature/2404/
●高齢者施設・在宅におけるがん緩和ケアの基本 看護師だから知っておきたいこと
https://www.almediaweb.jp/expert/feature/2303/
●高齢者施設・在宅における看護師ができるがん緩和ケア:その症状どうする?
×close
©DEARCARE Co., Ltd.