2025/3/11
藤田医科大学、慶應義塾大学、東京歯科大学、東京大学の共同研究グループは、歯周炎が炎症性老化(inflammaging)を促進し、各臓器でフレイルを引き起こすことを明らかにした。
歯周炎は歯周病が進行した状態で、これまでも全身に悪影響を及ぼすことが指摘されていたが、認知機能や骨、筋力への具体的な影響は十分に解明されていなかった。
本研究では、歯周炎モデルマウスを用いた実験により、歯周炎が認知機能の悪化、大腿骨の骨密度の低下、持久力に関わる筋肉(遅筋)の特異的な筋力低下を引き起こすことが確認された。特に大腿骨の骨密度は、歯周炎が軽度で罹患期間が短くても低下しており、歯周炎の治療だけではその回復が難しく、骨への積極的な加療が必要であることも示された。
これらの結果から、研究グループは、高齢者のフレイル予防には歯周炎の早期介入・治療とともに、骨密度や認知機能の評価が重要であると指摘する。現在、高齢者の内科診療では、対象疾患以外に、口腔内の状態や骨密度の評価が行われることは少ないが、歯科診療との連携による包括的な診療が不可欠であると述べている。
また、歯周炎が筋疲労を引き起こすこともわかっており、アスリートにとっても歯周病ケアが重要であることが示された。
本研究により、歯周炎がさまざまな臓器のフレイルを引き起こすことが明らかとなり、高齢者診療において歯科との緊密な連携の重要性が強調された。
詳しくは、下記藤田医科大学のWebサイトを参照
歯周炎による炎症は老化を促進して各種臓器の障害を招く~高齢者診療と歯科診療の連携による包括的な診療の重要性を示唆~
https://www.fujita-hu.ac.jp/newslist/press.html
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