2022/8/8
日本褥瘡学会は2022年7月、「褥瘡・創傷専門薬剤師」制度を創設し、2024年度から認定を開始することを学会ホームページで公表した。
褥瘡ケアにおいては、体圧分散や感染防止、栄養療法に加え、できてしまった褥瘡を評価し、状態に応じて最適な外用薬を用いた治療が欠かせない。効果的な薬物療法によって早期の褥瘡治癒が可能になれば、患者のQOL向上につながり、家族や介護者の負担も軽減できる。
令和4年度の診療報酬改定では、入院基本料の施設基準要件として、薬剤師が薬学的管理を、管理栄養士が栄養管理を行うことが追加された。さらに、厚生労働省が検討を進めている、「医療人材の不足を踏まえたタスクシフト/タスクシェアの推進」のなかで、在宅医療の場で褥瘡への薬剤塗布行為を薬剤師が実施することの適否に関して整理を行う旨も言及されており、在宅褥瘡分野においても薬剤師の介入が検討されていることがわかる。
褥瘡状態をアセスメントしての処方提案や、介護者への外用薬の塗布方法の指導、治療効果の確認など、薬剤師に期待される役割は大きい。医師、看護師とも連携し、チームとして褥瘡対策に当たっていくことが期待されている。
今回の制度の創設にあたって、日本褥瘡学会は、「褥瘡に関わる薬剤師が医療チームの中で他職種とともにさらに力を発揮できるために、本学会で褥瘡分野の専門薬剤師の育成を検討した結果」と述べている。認定に必要な単位の修得は、2022年8月に開催予定の第24回日本褥瘡学会学術集会から可能となる。
詳しくは、下記の日本褥瘡学会Webサイト参照
2024年度 褥瘡・創傷専門薬剤師 認定審査に関するご案内
【関連ページ】
●ナースが知っておきたい 褥瘡の正しい見方と外用薬の使い方 その2 褥瘡の外用薬の正しい使い方
https://www.almediaweb.jp/expert/feature/1801/
●「ディアケア プレミアム」
「これで治る! 褥瘡『外用薬』の使い方」(電子書籍)
https://dearcare.almediaweb.jp/home/cat15/theme001/index.html
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