2023/6/15
エビデンスに基づく医療・看護が広く推進される中で、最も信頼できる指標となっているのが、各学会が策定する「ガイドライン」である。近年、学会ガイドラインは「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017」に準拠することが多く、それに基づいてエビデンスレベルや推奨の強さが決められる。一般社団法人日本褥瘡学会が策定した「褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)」も同様の作成方法をとっており、重要臨床事項について14のCQ(クリニカル・クエスチョン)を作成し推奨文と推奨の強さを示している。
このガイドラインの内容を臨床現場で活用しやすいように、図やイラストを多用してわかりやすく解説した『褥瘡ガイドブック(第3版)』(日本褥瘡学会編集)が出版された。ガイドライン(第5版)で示された14CQについてはサマリーを収載し、具体的な方法については、第3章「褥瘡予防・治療・ケア クリニカルガイド」で詳述されている。細目は、「外用薬」「ドレッシング材」「外科的治療」「栄養」「リハビリテーション」「発生予測」「皮膚観察」「スキンケア」「体位変換」「体圧分散マットレス」「患者教育」「アウトカムマネジメント」「QOL、疼痛」の13節に分かれる。
褥瘡治療・ケアに使う外用薬やドレッシング材、栄養製品、体圧分散用具等については具体的な製品例を写真で示し、使用法や注意点などをわかりやすく解説している。各病院の褥瘡対策チームのメンバーだけでなく、現場で褥瘡に直面することの多い医療従事者、福祉職など、すべての職種にとって具体的に役立つ内容となっている。日本褥瘡学会の館正弘理事長は、「どの職種の方々にも全体像がつかみやすくなっています。すなわち、これからの医療のタスクシフト時代を先取りした内容となっています」と「序」に記している。多職種チーム医療の先駆けでもあった褥瘡医療だからこそ可能となった多職種執筆陣による多彩な内容となっている。日本褥瘡学会では学会設立25周年を記念して、学会員全員に本書を配布する。
書名:褥瘡ガイドブック(第3版)
編集:一般社団法人日本褥瘡学会
B5版、272頁
発行:照林社
詳しくは、下記のWeb サイト参照
https://www.shorinsha.co.jp/book/b10031700.html
【関連ページ】
●最新ガイドライン、DESIGN-R®2020に基づく 新まるわかり褥瘡ケア
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