ナースが知っておきたい 栄養の基本と栄養サポートの進め方

著・若草第一病院 院長 山中英治

2019年1月公開

Part4 静脈栄養

2.中心静脈栄養

1) カテーテルと挿入経路

カテーテルは、シングルルーメンと、マルチルーメン(ダブルルーメン、トリプルルーメン)があります。マルチルーメンは、ICUなどでメインルートの輸液以外に、別ルートから麻酔薬や昇圧薬などを厳密に投与するケースなどで有用です。栄養輸液だけの利用なら、シングルルーメンのほうが感染のリスクが少ないです。

挿入経路は、内頸静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈からなど大静脈に近い中枢の静脈を穿刺する中枢挿入式の経路と、上腕などの末梢静脈から挿入して先端を上大静脈に留置する末梢挿入式中心静脈カテーテル(PICC:peripherally inserted central catheter)があります(図1)。

図1 PICC
図1 PICCの参照画像

内頸静脈と大腿静脈は、皮膚からの距離が浅く血管も太いので穿刺が容易ですが、大腿静脈は尿や便で汚染しやすい場所であり、感染のリスクが高いためなるべく避けたい経路です。内頸静脈は総頸動脈の誤穿刺に注意が必要で、エコーで確認して穿刺したほうが安全です。鎖骨下静脈は患者には最も快適な部位ですが、気胸のリスクがあります(表2)。

表2 挿入経路(中枢挿入式)ごとの特徴
表2 挿入経路(中枢挿入式)ごとの特徴の参照画像

末梢静脈経由で中心静脈まで挿入するPICCが、最近は上腕の静脈をエコーガイド下で穿刺できるようになって、その安全性から普及しています。採血によく使う肘部の静脈は、エコーなしでも駆血帯を巻くだけで穿刺しやすいのですが、肘を曲げるとカテーテルが屈曲するので、なるべくエコーガイド下で上腕の静脈から挿入します。PICCは診療看護師の特定行為にも含まれていますので、今後さらにPICCの割合が増えると予測されます。
長期に留置する場合、また在宅高カロリー輸液には、カテーテルが体外に露出せず、輸液施行時以外はカテーテルフリーで入浴もしやすい、皮下埋め込み式中心静脈アクセスポート(CVポート)が活用されています(図2)。

図2 CVポート
図2 CVポートの参照画像

近年は大腸がんなどの化学療法にCVポートが留置されるケースが増えています。化学療法は進行がんに施行されるので、がん終末期になって経口摂取ができなくなった際に輸液に利用されることも増えています。カテーテルフリーになるので、在宅療養にも適しています。穿刺には、穿刺部分にコアができない専用のコアレスニードル(Huber針)を用います。CVポートなどは長期に使うので、特に感染や閉塞が起こらないように、厳密な管理が必要です。穿刺部の消毒、輸液剤の清潔操作、穿刺前後の生食フラッシュを確実に行います。

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