2024年12月公開
在宅医療・訪問看護の目的は、本人やご家族にとって「安心できる生活、納得できる人生」をサポートしていくことです。そのためには患者ごとに最適な療養生活支援を考えていく必要があります。
在宅患者の多くは複数の慢性疾患や障害とともに生きています。生活を支援していくうえで、これらに対する医学管理が必要です。在宅における医療的介入の多くは薬物療法です。したがって、在宅患者の健康管理・疾病治療においては服薬管理がとても重要になります。
服薬管理において、訪問看護師に求められる役割は大きく3つあります。
薬を安全・確実に飲ませることは大切ですが、そもそも何のために治療をしているのか、考えてみましょう。その薬に期待している効果=治療の目的は何でしょうか? 例えば、90歳の要介護高齢者の血圧やコレステロールを厳格にコントロールする必要があるでしょうか。アルツハイマー型認知症の中核症状に対する治療薬の投与が必要でしょうか。
何のために治療をするのか、治療によって得られる利益と、生じるかもしれない不利益のバランスを常に意識する必要があります。
また、療養の経過中に、新しい症状・予期せぬことが生じることがあります。このようなとき、新しい病気が生じたのではないかと考える前に、まずは薬の副作用を疑うようにしましょう。食欲低下、不眠、傾眠、不隠、浮腫、血圧の変動、肝機能・腎機能障害…薬の作用によってさまざまな症状が出現することがあります。特に複数薬剤を服用している患者については、新しい治療薬を追加する前に、今飲んでいる薬の副作用が原因ではないかとまず疑ってみましょう。
また、副作用のなかには迅速な対応を要するものもあります。緊急性に応じた対応ができることも重要です。
処方権限があるのは医師ですが、医師は診療頻度が低く、患者との時間的接触も短く、症状の変化が十分に把握できていない、薬物療法の効果や副作用を十分に評価することができていないことも少なくありません。ケアの現場での気づきがあれば、早めに医師に伝えてください。医師に連絡が取りにくい場合には、薬剤師と情報共有します。
判断の結果、処方変更が生じた場合には、特にその後2週間程度は慎重にフォローアップを行います。処方変更の際には、処方の過不足が生じないよう、薬剤師と連携します。
特に要介護高齢者への薬物療法は、一般成人とはさまざまな相違点があります。
最後に、在宅における薬物療法を円滑にするための3つのポイントをご紹介します。
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難しく考える必要はありません。
「残された時間は長くはない。この時間を本人にとって一番幸せなものにするために、薬物療法はどうあるべきか」
そう意識しながら患者さんにかかわっていくことができればよいのだと思います。
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在宅療養を続けるための要のひとつ!服薬管理で訪問看護師に求められること
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