2024年12月公開
2.めまい・転倒
1.めまい・転倒の基本知識
患者さんの訴える「めまい」の原因は多岐にわたります。本来は「めまい」と一口に言っても、回転性めまい(vertigo)、不動性めまい(dizziness)、前失神(presyncope)、平衡障害(disequilibrium)、ふらつき(light-headedness)に分類され1、患者さんが「めまい」を訴えたとしてもすべてが薬剤性というわけではありません。ただ、薬剤起因性老年症候群の原因として挙げられている薬剤2では、「めまい・転倒」として1項目になっており、薬剤の添付文書上も「めまい」としてひとまとめになっています。
めまいは、平衡感覚に関与する内耳、視覚、筋肉、関節などの情報の不一致によって引き起こされます。薬剤がこれらに影響を与えると、高齢者は加齢により筋力や反射神経が低下しやすくバランスを崩しやすいため、転倒に直結するリスクが高まります。
また、転倒は歩行困難や骨折と関連しており、さらなるADL低下につながります。
2.めまい・転倒を引き起こす代表的な薬剤2
- 降圧薬
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降圧薬は高血圧の治療に広く用いられますが、血圧を下げすぎることで起立性低血圧を引き起こしたり、徐脈になったりすることで、めまいや転倒を引き起こすことがあります。降圧薬のなかでも特に中枢性降圧薬、α遮断薬、β遮断薬が代表的な原因薬剤です。降圧薬として中枢性降圧薬、α遮断薬が処方されることは以前より減ってきている印象を受けますが、カルベジロール(製品例:アーチスト)、ビソプロロール(製品例:メインテート)といったβ遮断作用がある薬は、心不全を合併していると頻用されるので、目にする機会が多いのではないでしょうか。
- 睡眠薬や抗不安薬、抗精神病薬
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不眠や不安の訴えに対して頻用される睡眠薬や抗不安薬は、
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