2016/05/19
特定行為研修を修了した看護師39人が、4月から現場で活躍している。「特定行為」とは、診療の補助のうち、実践的な理解力、思考力、判断能力と、高度で専門的な知識・技術が求められる38行為のことだ。2015年10月に改正・施行された保健師助産師看護師法で、特定行為研修を受講した看護師が、医師や歯科医師によって作成された手順書に従い、実施できるようになった。
例えば、在宅療養中に脱水を繰り返す患者で、訪問看護師の訪問時に再び脱水が疑われる場合、今までは訪問看護師が医師に報告し、医師が点滴の必要性を判断して指示を出すことで、訪問看護師は輸液を開始することができた。しかし特定行為研修を終了した看護師であれば、脱水が疑われる場合、看護師は医師の「手順書」を確認し、患者の状態が手順書に示された「特定行為を実施する範囲内」であれば、事前に医師へ報告を行わずに輸液を実施することができる。そのため、従来よりも早く処置を行うことが可能となり、患者の負担が少なくなるなどのメリットがある。
今回、実施されることになった特定行為は、創傷管理領域の「創傷管理関連」や「創部ドレーン管理関連」、救急領域の「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」や「動脈血液ガス分析関連」、感染症管理領域の「感染に係る薬剤投与管理」など。
今後、看護師が特定行為を実施していくことで、実際の患者にとってのメリットや、安全性、医療従事者間の役割分担や関係性の変化、看護師が特定行為を行うことでの費用対効果、新たな看護師のキャリアとなるかなどが注目される。
図1 特定行為・特定行為区分
詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト参照
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077077.html
【「特定行為研修」に関する過去のディアケアニュース】
・看護師がデブリードマンや陰圧閉鎖療法を手順書により行える特定行為のための研修が始まる (2015/7/31)
https://www.almediaweb.jp/news/pu20150731_01.html
・全日本病院協会「特定行為に係る手順書例集」を公表 (2016/3/22)
https://www.almediaweb.jp/news/ac20160322_01.html
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