2024/10/22
令和6年度の診療報酬改定で、「J043-3 ストーマ処置料 4ストーマ合併症加算」が保険収載された。これを受け、関連する4学会(日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会、日本創傷・オストミー・失禁管理学会、日本大腸肛門病学会、日本泌尿器科学会)が共同で指針を作成したことを発表した。
令和6年版J043-3 ストーマ処置料の概要は以下のとおり。今回の指針で示されているのは、赤字で示した注4のストーマ合併症加算についてである。
J043-3 ストーマ処置(1日につき)
1 ストーマを1個もつ患者に対して行った場合 70点
2 ストーマを2個以上もつ患者に対して行った場合 120点
注
1 入院中の患者以外の患者に対して算定する。
2 区分番号C109に掲げる在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者に対して行ったストーマ処置の費用は算定しない。
3 6歳未満の乳幼児の場合は、乳幼児加算として、55点を加算する。
4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、ストーマ合併症を有する患者に対してストーマ処置を行った場合は、ストーマ合併症加算として、65点を加算する。
通知
(1) ストーマ処置は、消化器ストーマ又は尿路ストーマに対して行った場合に算定する。
(2) ストーマ処置には、装具の交換の費用は含まれるが、装具の費用は含まない。
(3) 「C109」に掲げる在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(これに係る薬剤料又は特定保険医療材料料のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、ストーマ処置の費用は算定できない。
(4) 「注4」に規定する加算は、以下のストーマ合併症のいずれかを有し、かつ、ストーマ合併症の重症度分類グレード2以上の患者である場合に算定する。
ア 傍ストーマヘルニア
イ ストーマ脱出
ウ ストーマ腫瘤
エ ストーマ部瘻孔
オ ストーマ静脈瘤
カ ストーマ周囲肉芽腫
キ ストーマ周囲難治性潰瘍等
本指針では、ストーマ合併症加算の目的を「ストーマケアに熟練した看護師が、的確なアセスメントとケアおよび生活指導を行うことで、ストーマ合併症の早期改善と重症化を予防する。また、予定外の外来受診、緊急入院および手術に至るケースの低減、ストーマ保有者の身体的・精神的・経済的負担を軽減する。」とし、ストーマ合併症の処置に関する基本的指針として、以下の3点を挙げている。
① ストーマ合併症の診断と重症度評価を行うこと。
② 患者の日常生活を考慮し、各ストーマ合併症に応じた適切な処置を実施すること。
③ ストーマ合併症の処置実施後の評価を行うこと。
また、ストーマ合併症の適切な処置を実施するために、以下の2冊が参考図書として紹介されている。
1)日本創傷・オストミー・失禁管理学会編:ストーマケアガイドブック.照林社,東京,2024.
2)日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会、日本大腸肛門病学会編:消化管ストーマ関連合併症の予防と治療・ケアの手引き.金原出版,東京,2018.
同指針内では、加算に必要な施設基準や保険点数、算定時の留意事項などもまとめられているため、ストーマケアにあたる医療者は一度目を通しておきたい。
詳しくは、下記の日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会Webサイトを参照
「J043-3 ストーマ処置 4ストーマ合併症加算」に関する指針(What’s New 2024.09.02掲載)
【関連ページ】
●ストーマを保有する認知症患者への対応と認知症ケアの基本
https://www.almediaweb.jp/stomacare/dementia_care/
●ストーマケア・ナーシング(医療関係者の皆さま)
https://www.almediaweb.jp/stomacare/medical/
●ストーマ保有者が、今本当に困っていること
https://www.almediaweb.jp/expert/feature/2201/
●「ディアケア プレミアム」
在宅の現場で知っておいてほしい 実践・【消化管】ストーマケア
https://dearcare.almediaweb.jp/home/cat10/theme005/index.html
●「ディアケア プレミアム」
在宅の現場で知っておいてほしい 実践・【尿路】ストーマケア
https://dearcare.almediaweb.jp/home/cat10/theme006/index.html
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