2025/3/25
「重症化予防のための足病診療ガイドライン」は、日本フットケア・足病医学会の前身である日本下肢救済・足病学会で2017年から作成が始まり、2022年9月に発刊となった。この度、2025年2月から、日本フットケア・足病医学会のWebサイトにてガイドラインの全文が閲覧可能となったため、改めて紹介する。
本ガイドラインが発刊される以前、国内で「足病の定義」が明記されたガイドライン等は存在していなかった。同学会では、「患者さんの歩行を守り、生活を護る」ために、まずはこれを定めるべく検討が行われ、以下のとおり足病を定義づけた。
起立・歩行に影響する下肢・足の形態的、機能的障害(循環障害、神経障害)や感染とそれに付随する足病変に加え、日常生活を脅かす非健康的な管理されていない下肢・足
「重症化予防のための足病診療ガイドライン」より引用
他の診療ガイドラインと異なる特徴として、本ガイドラインでは、上記定義に基づいて、患者の歩行と生活のためのCQを集めている点が挙げられる。足病の発症と重症化予防、歩行、多職種連携、地域連携などの観点から、患者側に立脚したガイドラインとして、68のCQがまとめられている。
特に看護師の力が大きく発揮される「フットケア」についても多くのCQがあり、在宅や施設で行える予防的フットケアについてや、足病のある高齢者に在宅や施設等で実施可能な具体的な処置方法、セルフケア教育の有用性、フットケアを提供する看護師への専門的訓練の必要性など、これからフットケアに取り組みたい方も、日々フットケア実践に取り組んでいる方も一度目を通しておきたい内容がまとまっている。
足に何らかの問題を抱えている高齢者は多く、歩行に支障が出てくるとADLやQOLに与える影響は大きい。フットケアは、疾患のある足や爪の処置のような高度で専門的なケアだけを指すのではなく、日ごろから取り組みやすい「足を洗うこと」や「正しく爪を切ること」などもまた、大切なフットケアの一環である。
患者と接する機会の多い看護師や介護士が足に関心を持ち、継続的に観察することで、異常の早期発見・早期対処につながることが期待される。ぜひ日常からできるフットケアを取り入れていただきたい。
詳しくは、下記、日本フットケア・足病医学会Webサイトを参照
「重症化予防のための足病診療ガイドライン」
https://jfcpm.org/guideline.html
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●足の健康を守る「フットケア」技術(解説記事)
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