Part4間接訓練の方法

藤田医科大学病院
看護部 看護科長(摂食・嚥下障害看護認定看護師) 
三鬼達人

2020年1月公開

2.舌の訓練

舌の訓練は、「舌の筋力増強と可動域を改善させ」「食塊形成や咀嚼、咽頭への送り込みを改善させる」運動です。
舌の訓練の際には、「色調」「弾力」「汚染」の程度を確認します。また、動きの範囲や舌の偏位(かたより)のアセスメントを行いながら進めていくことが重要です。
舌の動きに障害がある場合の訓練案を表1に示します。

表1 舌の動きに問題がある場合の訓練方法

障害 対応
舌の麻痺
弛緩性の麻痺(だらんとしている)
  • タッピング:スプーンの背や舌圧子で舌をタッピングして刺激を与える
舌の麻痺
萎縮(しわしわで小さくなっている)
  • ストレッチ:ガーゼ(水で濡らし固く絞る)で舌をくるみ、ストレッチをかけて引っ張り出す
舌背の挙上が弱い
  • 舌背挙上訓練:スプーンを舌の上に乗せ、軽く押す。押す力に抵抗して舌を持ち上げてもらう
全体に舌の動きが悪い
  • 舌の自動運動:舌を前後・左右・上下に動かす
  • 舌で歯列をなぞる、歯の本数を数える
  • 舌背挙上訓練:少しずつ負荷を増やす

(文献1を参考に作成)

参考文献

  1. 1.都築智美:Part4-2舌の訓練をどのように行う?.三鬼達人 編著,改訂版・摂食嚥下・口腔ケア,照林社,東京,2019:96-97.
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