Part5直接訓練の方法

藤田医科大学病院
看護部 看護科長(摂食・嚥下障害看護認定看護師) 
三鬼達人

2020年1月公開

3.食形態の選択と食事介助の具体的方法

1.食形態の選択

1食形態の判断

まずは"難易度の低い"メニューから開始します。
そして食形態の段階を上げていくかどうかの基準は以下です。

  • 現在の食事を「30分以内で7割以上摂取」できている
  • 現在の食事を「3食以上摂取」できている(嚥下障害が強く疑われている場合は、9食〈=3日間〉の様子を見ることが推奨される)1
2食形態変更の際の観察項目

食形態のアップを検討するときは、摂食状況だけでなく以下も観察・確認し、原因を検討しましょう。必要に応じて胸部X線写真の所見も確認します。

  • 発熱の有無
  • 呼吸状態の変化
  • 喀痰量の変化
  • 咳嗽の有無
3食形態を上げる際の注意点

②の観察項目に変化が見られず、①の基準が満たされた場合には、食形態をアップすることができます。
段階的に上げることを考える場合は、現在の食事メニューの中の1品のみ食形態をアップさせ、その割合を徐々に増やしていく場合もあります。また、難易度を上げるときには、食物の物性や摂取量を変更させることを優先させます。

4食形態の評価

ある程度の段階まで進められれば、さらに以下の条件が変更できるかをチームで検討します。

  • 摂食回数(1日の食事回数)
  • 摂食姿勢
  • 嚥下手技

なお評価のため、1つの条件のみを変更することからスタートさせます。複数の条件をあわせて調整することは避けます。

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