2020年1月公開
2.姿勢調整の方法
姿勢調整とは、誤嚥防止、咽頭残留軽減を目的として、体位・頸部の姿勢を調整することです。
誤嚥をしにくい姿勢を設定するときには、十分な評価のもと、対象者の嚥下機能に合わせた検討を行い、個々の患者さんに最も適した方法を選択します。
1.座位姿勢
座位姿勢では、食膳が見渡せて自力摂取がしやすい反面、体幹が不安定になりやすいため注意が必要です。また気道が前側で食道が後側になる傾向があるため、食物が口腔・咽頭を通過するときに重力の影響を受けて前側を通過しやすくなります1。
安定した座位姿勢がとれるような工夫としては、車椅子や椅子の種類の選択、机・テーブルの高さ調整、足台やクッションの準備が必要となります(図1)。
椅子の高さは、足底がしっかりと床に着く状態にします。足底が床に着かない場合は、足台などで補正をします。足底が床に着かない状態では、体幹がぐらつき安定性が損なわれます。車椅子などの背もたれがある状態では、背もたれが広すぎると横に傾きやすくなるので注意が必要です。また、姿勢を安定させる目的でクッションなどを背部と椅子の間などに入れるとよいでしょう。この際、ずり落ちを予防するため腰深く座り、安定をよくする工夫をしましょう。
- ほかにも、車椅子やテーブルに肘を乗せて固定したり、体幹・四肢の失調症状がある場合、失調が強い部位に500g程度のおもりをつけるなどの工夫がある
- それでも姿勢が崩れてくる場合は、無理に座位姿勢で摂取せず、リクライニングができる車椅子に変更したり、ベッド上での食事にする
(文献2を参考に作成)
机やテーブルの高さは、肩を自然に下ろした状態で肘が台の上に付く程度に調整してください。机が高すぎると頸部が伸展位となりやすくなります。姿勢調整のために、
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