2021年10月公開
施設や病棟で複数の患者さんにフットケアを行う際、また、いくつかのご自宅を連続して訪問する際は、真菌症や疥癬などを介助者が媒介してしまわないよう注意が必要です。
フットケアに用いる器具は基本的にその日ケアを行う患者さんの人数分用意することが望ましいです。例え目に見える汚れがなくても、そのまま使いまわすことは言うまでもなく厳禁です。使用後は器具を除菌効果のある洗浄剤で洗浄したうえで水洗いし、完全に乾燥させます。器具の隙間ややすりの溝などに角質が残らないよう、歯ブラシ等を用いてしっかりと汚れを落としましょう。
また、足浴の際はバケツに直接お湯を張るのではなく、バケツにビニール袋をかぶせてお湯を入れた中で足浴を行い、ビニール袋ごと交換するとよいでしょう。
感染症などがわかっている患者さんのフットケアの順番を最後にすることも、感染予防につながります。
介助者が感染症を媒介しないため、また、自身の安全を守るため、フットケアを行う際は基本的に標準予防策をとります(図1)。マスク、エプロン、手袋、ゴーグルを着用し、患者さんごとに交換・消毒を行いましょう。ケアの前後の手指消毒も忘れずに行います。削った爪や角質はすぐにまとめて処分し、まわりの床もきちんと清掃するようにしましょう。
足の健康のためには、清潔を維持して正常な皮膚の状態を保つことが基本です。そのために、洗浄は最も基本的なケアの一つといえるでしょう。日々生じる垢や汚れ、感染症の原因となりうる菌を毎日洗い流すことで、健康な足を維持し、足病の予防につながります。また、洗浄の際に足の状態を観察することで、病変の徴候を早期に発見することもできます。
洗浄の際は、シャワー等で足全体の汚れを洗い流した後、よく泡立てた洗浄剤で洗います。洗浄剤は皮膚のpHに近い弱酸性、低刺激性のものを選びましょう。保湿成分が入っているものは乾燥予防に役立ちます。
洗浄後は水分が残らないようにタオルでしっかりと水気を取ります。この際は、こすって皮膚を傷つけないよう、タオルを押し当てるようにしましょう。
仕上げに保湿剤を塗布し、皮膚の乾燥を予防します。
具体的な方法は、このあとの項でご紹介していきます。
〈参考文献〉
Part5フットケアの実際
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