Part5フットケアの実際

足のスキンケアにおいては保湿がとても重要です。皮膚が乾燥すると角質水分量が減少し、亀裂の原因ともなります。また、肌のバリア機能が低下し、容易に感染しやすくなってしまいます。
洗浄や足浴の後は、水分をしっかりと拭き取ったら、時間をあけずに保湿剤を塗布しましょう。ただし、過度な保湿は皮膚の浸軟を招いてしまうため、蒸れやすい足趾間などには保湿剤の塗布は控えます。

塗布量のめやすは、FTU（finger tip unit；フィンガーチップユニット）をめやすとします（図15）。チューブタイプの保湿剤であれば、手の指の第1関節から指先までの量が1FTU、約0.5gとなります。ローションタイプの保湿剤であれば、手のひらに出した際およそ1円玉大のサイズが1FTU、約0.5gとなります。
足部の保湿の際は、片足（足背・足底・足趾）当たり、保湿剤約1.0g（2FTU：finger tip unit）が塗布量のめやすです。塗り広げた際に皮膚が軽く光って見え、ティッシュを貼り付けてみると軽く皮膚に付着して落ちない程度が適量のめやすとなります。

保湿剤を手に取ったら、手のひらをこすり合わせて皮膚温になじませて、まんべんなく塗布しやすい状態にします。そして、各部位ごとに皮溝に沿って保湿剤を塗布していきます（図16）。特に踵部は角質が肥厚しやすい部位であり、亀裂などが生じやすいため、ていねいに塗布します。

1. a）足背部：指の付け根から足首方向に向かって、母指で小さな円を描くように軽くマッサージしながら塗布する

1. b）足底部：踵から足趾に向かって、母指で小さな円を描くように軽くマッサージしながら塗布する