Part1 
ストーマケアで持ちたい「認知症では?」の視点

ケア:認知症を持つストーマ保有者への対応

執筆・編集 安藤嘉子先生、片岡ひとみ先生、土田敏恵先生、渡邉光子先生、濵元佳江先生

2020年7月更新(2019年5月公開)

このようなストーマ保有者への対応について、認知症看護認定看護師と協力しながら、ケアを検討していきました。

まずは認知症の症状に対応することが重要です。これは一般的な認知症への対応と同様で、例えば怒ってストーマに触れさせない方にはキーパーソンを決めて話を聞く、提示する手順書は文字数を減らしてわかりやすくする、過去の職歴を考慮した対応を行う、など、基本的な認知症対応を進めます。

ストーマに関する介入の考え方としては、ケアの”行うこと“のゴールを低くして、できたことを褒(ほ)めるなどの介入を行いました。ミトンなどでの抑制はできるだけ避け、剥がしても問題がないような柔らかい装具に変更する、腹帯を使って意識をストーマからそらす、などの対応をしていきました。

また装具の選択として、認知症を持つストーマ保有者に合わせた図3のようなアイデアが考えられます。いずれにしても、例えば”排泄口の扱いを練習して……“と、いつもの指導に合わせるのではなく、装具自体を変更できるなら変更し、ケアをシンプルにして「だいたいのところが管理できればOK」程度の考え方でよいかと思います。

認知症の程度によっては、例えば「これがパウダーで」とわかりやすいように写真で示したとしても、写真と自分の状態が比較できなかったり、そのことが何を意味するかわからない状態であることがあります。そのときは家族に指導したり、また在宅でのケア環境を整えるため、社会的な連携を強化する取り組みを行うことになります。

図3 
認知症患者さんに合わせたストーマ装具の選択(一例を示す)

貼るのが難しそう

  • 台紙を1回剥がすだけで装着できるような、全面保護材の単品系のプレカットの(ハサミを使わない)装具に変更する

関連製品

ユーケアー®、セルケア®、エスティーム®インビジクローズ®、センシュラ®ミオ1、ノバ1 フォールドアップなど

剥がすのが難しそう

  • 皮膚の状態にもよるが、剥離剤を使うのが難しいようであれば、そのまま剥がしても皮膚にやさしい装具に変更する

関連製品

セルケア®、モデルマフレックスSF、ノバライフ1、センシュラ®ミオ1

交換が難しそう

  • 皮膚の状態にもよるが、石けんで洗う方法ではなく、ウェットティッシュで拭くだけにして交換する
  • お風呂に入るタイミングで交換する

気になって触っている袋がいっぱいになっている

  • 袋が小さすぎて満杯になり、それが気になって触ってしまう可能性がある
  • 袋の容量を上げ、長く保つタイプに変更する

関連製品

eakin® dot ツーピースバッグ ドレナブルバッグ 窓付き マキシサイズ、イレオストミーであれば二品系イレオストミーパウチ

気になって触っているカサカサ音

  • 音が気になって触ってしまう可能性がある
  • 下腹部のストーマでおむつを装着している方であれば、音が出ないよう、おむつの中にうまく入れ込む

気になって触っている硬い凸面タイプ

  • 硬い凸面タイプは違和感があるため剥がすという行動につながりやすい
  • “貼っていることを忘れる”ぐらいの装具に変更する

関連製品

ノバ1 フォールドアップX(エックス)3またはX5、エスティーム やわらか凸、イーキンパウチ コンベックス ドレナブルなど

気になって触っている透明タイプ

  • 便が見えると触ってしまう可能性がある
  • 肌色のほうが便が目に触れない

“かゆい”と剥がしてしまう

対策①

  • 剥がす・貼るときに刺激の少ない装具に変更する

関連製品

センシュラ®ミオ1、ノバ1 フォールドアップ、セルケア®1・C、センシュラ®ミオ1クローズ、フレキシマ®密閉型、モデルマフレックスSFクローズなど

対策②

  • 皮膚の乾燥による掻痒感に対して保湿する

関連製品

ピュアバリア、シルティ 保湿ローション、セキューラ®MLなど

対策③

  • 剥離刺激による掻痒感に対しては被膜する

関連製品

リモイス®コート、3MTM キャビロンTM 非アルコール性皮膜、セキューラ®ノンアルコール被膜スプレーなど

毎日操作できるが汚してしまう

  • 例えば大腸ストーマであれば、排泄口を操作して排泄するタイプではなく、便性を硬めにコントロールして“溜まってきたら袋ごと新しいものに交換する”タイプに変更する

関連製品

ユーケアー®C、センシュラ®ミオ1クローズ、フレキシマ®密閉型、モデルマフレックスSFクローズなど

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