2019年5月公開
認知症のなかでも特にアルツハイマー型認知症は、加齢に伴うもの忘れ(生理的健忘)やせん妄、うつ病などと病態がよく似ています。鑑別は簡単ではありませんが、疾患が違えば、適切なケアや治療法が変わってきます。ここではそれぞれの病態の違いを紹介します。
もの忘れは、加齢に伴うものと認知症によるものとでは、性質が大きく異なります。加齢に伴う場合は、例えば夕食で何を食べたか思い出せないなど、出来事の一部を忘れてしまうのに対し、認知症の場合は夕食をとったこと自体を忘れてしまいます。つまり、体験や出来事の全体を忘れてしまうのです。両者には、ほかにも表2に示すような違いがあります。
せん妄とは、術後や薬剤の影響によって急性に出現する意識障害をいいます。急激に発症し、一過性であることが大きな特徴ですが、症状が出現している間は、時間や場所の認識が混乱する見当識障害や幻覚など、認知症とよく似た症状がみられます。また、認知症の人がせん妄を発症することもあり、即座に「認知症ではない」と判断するには注意が必要です(表3)。
うつ病には、記憶障害や集中力の低下、気分の落ち込みなど、アルツハイマー型認知症の症状と重なる症状があります。認知症の初期症状にうつ状態があることからも、鑑別はより難しくなります。ただし、うつ病の場合は、抗うつ薬の服用で症状が改善する場合もあるため、治療につなげるうえでも両者の鑑別ポイントをおさえておくことはとても重要です(表4)。
Part1
ストーマケアで持ちたい
「認知症では?」の視点
Part2
知っておきたい
認知症の基礎知識
Part3
認知症患者さんへの対応、
こんなとき
どうすればいいの?
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