Part2 
知っておきたい認知症の基礎知識

どうして認知症になるの?

編集・執筆 「エキスパートナース」編集部

2019年5月公開

認知症もしくは認知症様症状をきたす疾患は、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などが含まれる神経変性疾患だけでなく、脳血管障害や臓器不全によるものなど、数多くあります(表1)。原因によって症状や経過、治療法が異なるため、病型の診断はとても重要です。

原因となる疾患のなかには、外科的処置や内科的処置により、治療可能なものが含まれます。例えば、正常圧水頭症や甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症などがそれに該当します。適切な治療につなげるため、迅速な診断が必要となります。

表1 認知症や認知症様症状をきたす主な疾患・病態

横にスクロールしてご覧いただけます。

中枢神経変性疾患 ・アルツハイマー型認知症
・前頭側頭葉変性症
・レビー小体型認知症
・大脳皮質基底核変性症 など
血管性認知症 ・多発梗塞性認知症
・小血管病変性認知症
・脳出血性血管性認知症
・慢性硬膜下血腫 など
脳腫瘍 ・原発性脳腫瘍
・転移性脳腫瘍 など
正常圧水頭症
頭部外傷
無酸素性あるいは点酸素性脳症
神経感染症 ・急性ウイルス性脳炎
・HIV感染症(AIDS)
・進行麻痺(神経梅毒)
・髄膜炎
・脳腫瘍 など
臓器不全 ・腎不全
・肝不全
・慢性心不全 など
内分泌疾患 ・甲状腺機能低下症
・下垂体機能低下症
・副甲状腺機能亢進症/低下症 など
欠乏性、中毒性、代謝性疾患 ・慢性的な多量飲酒によるアルコール依存症
・一酸化炭素中毒
・ビタミンB12欠乏症
・薬物中毒 など
自己免疫性疾患 ・多発性硬化症
・急性散在性脳
・脊髄炎
・シェーグレン症候群 など
蓄積症 ・遅発性スフィンゴリピド症
・副腎白質ジストロフィー
・糖尿病 など
その他 ・ミトコンドリア脳筋症
・進行性筋ジストロフィー など

日本神経学会監修,「認知症疾患診療ガイドライン」作成委員会編:認知症疾患診療ガイドライン2017:7.表1を参考に作成

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