2023年7月公開
連続携行式腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)は、「連続携行式腹膜透析」と訳される腹膜透析の標準的な治療法で、腹膜透析カテーテルから腹腔内に透析液を注入するものです。透析液は、透析液交換の短時間を除いて常に腹腔内に貯留した状態にあり、1日24時間、週7日間連続して緩徐な透析を行うことができます(図1)。
川口良人,伊藤恭彦,窪田実,他監修:PD Nurse College基礎コーステキスト.バクスター,2020:169.を参考に作成
https://www.baxterpro.jp/ebook/nurse_c/basic?pNo=1(2022/10/1アクセス)
透析効率は時間の経過とともに低下するため、透析液を1日に数回交換する必要があります。1回の透析液交換に要する時間は30~40分程度です。透析液の交換は手動で行われますが、高齢者や手指の不自由な患者、視力障害のある患者等に対しては、補助のためのデバイス(腹膜透析接続装置)を利用することが多いです(図2)。1回あたりに注入される透析液の量は0.5~2.5L(一般的には1.5~2.0L)であり、1日に3~5回透析液の交換を行います。
図2腹膜透析接続装置(2製品ともバクスター株式会社)
UVフラッシュオート くり~んフラッシュ
つなぐ
バクスター株式会社「JPRC48220003V1」より転載
交換のタイミングとしては、起床時、昼食の前後、夕食の前後、就寝時が一般的です。日中の透析液貯留時間は4~6時間、夜間は7~10時間となります(図3)。透析処方(1回あたりの透析液の量、交換回数、貯留時間、交換のタイミングなど)は、①腹膜機能(水や溶質の移動のしやすさ)、②残存腎機能(尿量)、③体格、④ 医学的な状況(例:腰痛、透析液の漏出など)、⑤個人の好みやライフスタイルを総合的に勘案して決定されます。
CAPDが適応となるのは、表1に示したような患者です。
表1 CAPDが適応となる患者
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これからの普及が期待される「腹膜透析(PD)」とますます重要になる看護師の役割
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