基本から実践まで! 事例でよくわかる! 在宅酸素療法(HOT)の実際
地方独立行政法人 大阪府立病院機構
大阪はびきの医療センター看護部
(慢性疾患看護専門看護師)
平田 聡子
2022年3月公開
酸素療法でのインターフェイスには、大きく分類すると2種類あり、“低流量システム”と“高流量システム”に分類されます。酸素投与量が多いものを高流量システムと勘違いしがちですが、この2つのシステムの違いは、供給される酸素流量が患者の一回換気量によって多いか少ないかによる違いです。在宅酸素療法で主に使用されるインターフェイスは、低流量システムです。
低流量システムは、供給される酸素の総流量が患者の一回換気量より少なく、足りない分を外気から取り込みます。吸入酸素濃度(FIO2)は患者の呼吸数や一回換気量に左右されるため、厳密なFIO2の設定や高い吸入酸素濃度を維持することが難しいという特徴があります。特に、一回換気量の少ない患者では、吸入酸素濃度が高くなるため、使用する際には患者の疾患や呼吸機能を把握しておくことが重要です。低流量システムのインターフェイスについて、種類や特徴、注意点については表1、表2を参照してください。
表1 低流量システムの各種インターフェイス(文献1、2、3を参考に作成)
表2 低流量システムの酸素流量(L/分)と吸酸素濃度(FIO2)の推定値(%)の目安(文献1を参考に作成)
酸素流量 (L/分) |
0.5 | 1 | 2 | 2.5 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
鼻カニュラ | 24% | 28% | 32% | 36% | 40% | 44% | ||||||
リザーバ付き鼻カニュラ | 28% | 32% | 36% | 40% | ||||||||
簡易酸素マスク | 40~50% | 50~60% | ||||||||||
開放型酸素マスク | 40% | 50% | 60% | |||||||||
リザーバ付き酸素マスク | 60% | 70% | 80% | 90% | 90%~ |
引用文献
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