基本から実践まで! 事例でよくわかる! 在宅酸素療法(HOT)の実際
地方独立行政法人 大阪府立病院機構
大阪はびきの医療センター看護部
(慢性疾患看護専門看護師)
平田 聡子
2022年3月公開
HOT導入が決定したら、生活に取り入れていくために必要な情報収集や酸素量の決定、手技習得への支援、在宅環境調整等を行っていく必要があります。ここからは、HOT導入の進め方について、詳しくお話します。
HOTを導入するにあたっては、患者を理解することが大切です。
まず、患者の身体的な状況として、普段のバイタルサインだけでなく、呼吸機能検査や動脈血液ガスデータ、心臓エコー検査の結果などから、呼吸不全の種類(Ⅰ型、Ⅱ型)、換気障害の種類(閉塞性、拘束性)や拡散障害(肺拡散能:%DLCO)の有無、肺高血圧などの合併症の有無を確認しておきます。
さらに、病状だけでなく、病気になる前からどのような生活を送っていたのか、趣味や生きがい、今後どのような生活を送りたいのか、HOTを導入することをどのように感じているのかなどを、患者や家族から教えてもらい、患者がどのような人かを理解することが最も重要です。
HOT導入にあたっては、患者や家族が疾患や病態をしっかり理解することが不可欠です1。患者や家族がどのように現在の病状を理解しているかを確認し、患者や家族の理解度に合わせて、日常的に酸素が必要になっている病態について説明します。病態を十分に理解しているのを確認した上で、HOTの必要性についても説明します。
引用文献
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