基本から実践まで! 事例でよくわかる! 在宅酸素療法(HOT)の実際
地方独立行政法人 大阪府立病院機構
大阪はびきの医療センター看護部
(慢性疾患看護専門看護師)
平田 聡子
2022年3月公開
実際の生活場面を想定し、必要な酸素流量を決定していきます。そのため、事前に退院後はどこで生活するのか、間取りや活動量、外出頻度等の退院後の細かな情報を収集し、理学療法士とも共有しておきます。
必要な酸素流量は、安静時や労作時、入浴時、入眠時といったように細かく見極めを行います。病院では、ベッドで過ごすときを「安静時」、ベッドから離れるときを「労作時」として必要酸素量を見極めていることが多いですが、患者は、そのまま自宅に帰ると自宅内を「安静時」、外出時を「労作時」と捉えることもあります。
必要酸素量を見極める際には、退院後の生活において、具体的に安静時や労作時とは何かを患者と話し合い、共通認識しておくことが必要です。酸素流量の見極めでは、特に入浴時の見極めが重要です。入浴前後は、SpO2低下につながる動作が連続で続きます。そのため、通常の労作時よりもSpO2低下をきたす可能性があり、酸素流量の見極めを行い、入浴動作で低酸素にならないような流量設定にする必要があります。
必要な酸素流量が決定したら、患者に決定した酸素流量をしっかり守ることの必要性について説明します。呼吸困難があるからと指示された以上の酸素流量を吸入することで、Ⅱ型呼吸不全の患者の場合、CO2ナルコーシス(注1)を引き起こすことがあります。逆に必要な酸素流量よりも少なく、労作時で低酸素の状態を長く継続することで、循環器系の合併症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
認知機能面も考慮し、細かな酸素流量調整が難しい場合は、安静時と労作時を同じ流量にできるか等、管理しやすい方法を多職種で検討していくことも必要です。
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