Part2糖尿病患者のセルフケア支援

東京歯科大学市川総合病院看護部
慢性疾患看護専門看護師
金井 千晴

一部会員限定
ページあり!

2023年5月公開

6.低血糖への対処

1.低血糖とは

低血糖は、糖尿病の薬物療法中の患者に最も高頻度にみられる急性合併症です。一般的に、血糖値が70mg/dL未満になると症状が出現しますが、普段の血糖値がかなり高い患者では、急激な血糖値の低下時に70mg/dL以上でも低血糖症状が出現することがあります。一般的に、70mg/dL未満で冷汗・手指の震え・動悸・顔面蒼白、50mg/dL程度で頭痛・目のかすみ・空腹感・眠気(生あくび)が出現します。血糖値が30mg/dL以下になるとけいれん発作や低血糖昏睡に陥り、治療が遅れると命にかかわります。自律神経障害があったり、低血糖を繰り返したりすると、低血糖の前兆がないまま昏睡に至ることがあります(無自覚低血糖)。

意識障害の場合は、低血糖と高血糖の鑑別が必須のため、血糖値の測定が必要になります。鑑別できない場合で医師が対応する場合は、まず50%グルコース注射液20mL(20%グルコースなら40mL)を静脈内に投与して判断します。低血糖の原因・症状・対処を知り、予防に努めることが必要です。

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