2015年5月公開
未熟な腸管に発症する後天性の病気で、腸管に広範囲な壊死がおきます。壊死の範囲や程度によって重症度に幅があります。
原因は不明ですが、未熟児に多く発症し、未熟な腸管に血流障害や感染などが誘因となり発症するといわれています。人工ミルクより母乳のほうが発症をおさえられると考えられています。発症する症例の3/4は小さく生まれたお子さんです。
胃の中の残渣物の増加、おなかの張り、吐く、血液の混じった便が出ることがあります。腸管が穿孔すると、腹腔内に腸管内容が漏れておなか全体に炎症を起こす腹膜炎や敗血症を起こしてしまい重症になることがあります。
[内科的な治療]
絶食、チューブで胃の内容物を出し腸管内の圧を下げる、点滴、抗生物質の投与をします。
[外科的な治療]
腸が穿孔したとき、内科的な治療で効果が出ない場合に手術をします。
穿孔したところが部分的であれば、穿孔した腸と壊死した腸管を可能な限りに切除し、切除した端と端をつなぐ手術をします。しかしそのような状況は少なく、たいていは切除した端と端をストーマにします。その後、状況や体重増加や時期をみてストーマを閉鎖します。
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