Part4誤嚥性肺炎を防ぐリハビリテーション

令和健康科学大学 リハビリテーション学部 学部長/
カマチグループ関東本部 リハビリテーション関東統括本部長
稲川 利光

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2022年5月公開

6.シーティング(正しい座位保持)の基本的な考え方

シーティングについて説明します。安定した座位では、「支持基底面」の中に「圧の中心点」が収まっています。座位の「支持基底面」とは、足底と大腿部の裏面、そして坐骨でつくる面です。「圧の中心点」とは、重心(座位では胸骨の裏側あたりに位置する)から下ろした垂直線と支持基底面が交わる点です(図8)。この安定した座位姿勢については、ディアケア プレミアムサイトの動画コンテンツ「生活動作の介助技術:リハビリテーションの視点から」でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧いただければと思います。

図8安定した座位姿勢
安定した座位姿勢

支持基底面の中に圧中心点が収まっている。

お辞儀をしたり、手を前に伸ばしたりすることで重心が前に出て、圧中心点は支持基底面の前方に移動します。上半身全体を前に傾けると、椅子から立ち上がりやすくなりますが、これは圧中心点が前方に移動し、立位の支持基底面の中に収まるからです。逆に上方を見上げたり、体を後ろに反らせたりすると圧中心点は後ろに移動し、後方へ倒れやすくなります。

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