Part2BPSDのアセスメントの基本

群馬大学大学院保健学研究科 教授
内田 陽子

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2022年11月公開

Part2では、BPSDのアセスメントについて、私が考える基本原則を挙げながら解説します。

1.BPSDの原因を探求する

BPSDには図1に示すように多くの要因があるため、何が目の前の方のBPSDの発症要因となっているかをアセスメントしていきます。数々の要因のうち、看護師としてまず確認しておきたい薬剤と身体疾患・症状について、少し詳しくご紹介します。

図1BPSDに影響する要因
図1 BPSDに影響する要因

(1)薬剤

BPSDを引き起こす・悪化させる薬剤としては、抗潰瘍薬、抗コリン薬、向精神薬などがあります。原因となっている薬剤の中止や減量で、BPSDが改善する可能性があります。高齢者ではポリファーマシーとなっている方も多いため、今どのような薬を飲んでいるかを確認し、主治医や薬剤師に相談してみます。

(2)疾患・症状

BPSDを引き起こす疾患として、内科系の病気には甲状腺機能低下症、ビタミンB1・B12欠乏症、低酸素症、高血糖、電解質異常などがあります。また、神経系の病気では脳・髄膜炎、脳腫瘍、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、うつ病などがあります。原疾患の治療によってBPSDが改善したり、正常圧水頭症のように治療できる認知症もありますので、受診が必要です。
また、発熱、感染、脱水、疼痛、便秘、嘔気などの症状によってもBPSDが悪化することがあります。認知症患者さんは、自分の症状をなかなか訴えられない方もいるため、細やかな身体診査、アセスメントが大切です。

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