2022年11月公開
4.BPSDをもつ方への酸素吸入ケア
【事例から】せん妄を伴い酸素マスクを何度も外してしまう患者さん
【事例から】在宅酸素療法の決まりを守らず、注意すると激高する患者さん
(1)酸素療法が必要な患者さんの“お困りごと”とケアの工夫
一次的な呼吸機能の低下や、COPDなどによる慢性的な呼吸機能の低下に伴い、酸素療法が必要になることがあります。その際に、認知症患者さんでみられがちな“お困りごと”としては、酸素マスクや経鼻カニューレの使用を拒否したり、ひんぱんに外してしまったりといった、治療拒否に見える行動が挙げられます。
ひとつ前の項目で紹介した点滴同様、認知機能障害があると、酸素の必要性を理解することができなかったり、説明しても忘れてしまったりするため、ただ“邪魔なもの”と感じて外してしまうことがあります。またマスクやカニューレの圧迫感や違和感から外してしまう方も多いです。低酸素状態となると、息苦しさから身の置き所がなく器具を外そうとしたり、酸素不足が認知機能の低下やせん妄の悪化につながって、悪循環となってしまいます。
外そうとするのを制止したり、何度もつけ直すのではなく、なぜ拒否につながっているのかをアセスメントし、工夫することが大切です(表5参照)。酸素によって呼吸が楽になることが伝われば、
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