2022年11月公開
認知症の方に対して、たくさんの“お困りごと”を感じることもあると思いますが、本人の望んでいること、ニーズをつかんでいくことが重要です。
以前、認知症高齢者の方に、どんなことを望んでいるのかをお聞きしたことがあります。それを整理した結果、人とつながっていたい、自分で何かをやりたい、健康を保ちたい、自分の生活・ペースを保ちたい、周囲の人には優しく接してほしい、などがありました1。
BPSDの背景には、本人の望みや不安などが隠れていることが多いです。一見困ったなと感じる訴えでも、それがどのような背景・ニーズから来ているのかを考えることが大切です。
認知症ケアを行っている方は、ときに“認知症の方は意思表出できない”と決めつけてしまうことがあります。しかし、理由も聞かずに“困った行動”を注意したり抑制したりするだけでは、解決にはつながりません。BPSDは、その人なりの理由があって生じている点を認識しておくことが大切です。
例えば、夜中にベッドから何度も起き上がろうとする方に対して、本人の話をよく聞かずに、転倒・転落の恐れがあると決めつけて、身体拘束することはありませんか? このようなときは、なぜ、起き上がろうとするのか、歩こうとするのか、本人に尋ね、その訴えに耳を傾けましょう。すると、「俺は夜、便所に行きたいだけなんだ」などと理由を言われることがあります。このような場合であれば、身体拘束はせず、夜間にトイレ誘導するケアでうまくいくかもしれません。
BPSDがみられた際は、受け持ち看護師一人で思い悩むのではなく、チームアプローチでその人の意思を多角的につかみ、本人にも確認して、さまざまなケアの工夫を考えることが求められます。
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