2022年11月公開
5.BPSDをもつ方へのスキンケア
【事例から】褥瘡処置に何も反応をみせない患者さんと、事務的な対応を行う看護師
【事例から】繰り返し状況を尋ねる患者さんと、「大丈夫」しか言わない看護師
(1)スキンケアでの“お困りごと”とケアの工夫
高齢者の皮膚は脆弱です。少しの摩擦や刺激でも皮膚の表皮剥離、スキン-テアが生じます。ぶつけたり挟んだりして創傷ができてしまうことや、寝たきりの状態が続いて褥瘡ができてしまうこともあり、スキンケアを必要とする患者さんも多いです。認知機能の低下がみられると、注意障害や視空間障害から怪我をしやすくなったり、痛みや苦痛をうまく伝えることができずにこれらの状態を悪化させてしまう恐れもあります。さらに、褥瘡や創傷は、BPSDのきっかけにもなります。
私たち看護師は、患者さんが伝えきれない訴えを察し、適切なアセスメントとケアを行っていく必要があります。
なお、重度の認知症の方などで発語がみられなかったり、自分が怪我をしていることを理解できないような方に対して、“何もわかっていない”といった態度で接することは不適切です。
人格の尊重はどんな人でも関心を寄せて、声をかける、触れる、話を聞くことが原則です。患者さんは、わけもわからぬまま身体を触られたり、傷に触れられて痛みを生じたりすると、恐怖や苦痛が助長されてしまいます。患者さんの人格尊重を意識しながら、声かけやタッチング、心地よいケアを併用しながら接するようにしましょう。
次の事例から考えてみてください。
(2)【事例から】褥瘡処置に何も反応をみせない患者さんと、事務的な対応を行う看護師
- Iさん、86歳男性
- アルツハイマー型認知症(末期)
- 寝たきりの状態が続き、仙骨部に褥瘡が生じた。
- 発語はなく、看護師が行う処置にも反応がない。
- 看護師は事務的に褥瘡への処置のみを行い、その場を立ち去っている。
【適切な接し方への手がかり】
これは、一見穏やかに褥瘡処置が行えたような事例に感じるかもしれませんが、
「ディアケア」に
会員登録(無料)すると
できること
限定コンテンツ
実践のコツや記事などの
「限定コンテンツ」が見られる!
資料ダウンロード(PDF)
一部の記事で勉強会や
説明など便利に使える資料を公開中!
ケア情報メール
新たなコンテンツの
公開情報や、ケアに役立つ情報をお届け!
【有料サービス】「ディアケア プレミアム」に
登録するとできること(月額800円~/無料お試しあり/法人利用も可能)
実践ケア動画
エキスパートのワザやコツが
学べる動画を多数掲載!
期間限定セミナー動画
各分野のエキスパートが登壇。
1回約15分で学べる!
電子書籍
書店で販売されている本や、
オリジナル書籍が読み放題!
Part4認知症・BPSDをもつ方へのかかわり方
―失敗事例と成功事例から学ぶ―