2022年11月公開
視点取得とは、「他者の視点を積極的に考え、他者がどのように考えているかを推測する過程」1です。これを認知症ケアに置き換えると、「認知症の方の視点を積極的に考え、認知症の方がどのように考えているかを推測する過程」になります。
私たちは物体を見るときに、違うところに立っている他者と自分とでは「見える世界が違う」ことを認識しています。しかし、認知症の方は自分が見ている世界がすべてと捉え、他者の立場からどう見えるのかを推測することが苦手です。
例えば、次の写真をご覧ください(図2)。
私たちは、「帽子の下に財布がある」とすぐわかりますね。しかし、「財布がない!」と訴えている認知症の方の目には、財布は見えていません。この写真の場合のように、同じような色や模様の物が近くにあると、判別が困難です。また、財布よりも目立つ物が近くにあると、そちらに視線を奪われてしまい、ほかの物が見えなくなってしまいます。
また、認知症高齢者は白内障をもっていることが多く、薬袋の文字などが見えにくい状態です。ある認知症の方が薬袋を見て、「これは豆腐かい?」と言われたことがありました。
私たちは、自分から見える世界が認知症の方にも同じように見えている、と捉えるのではなく、認知症の方の立場に立ってそこからどう見えるかを、積極的に推測する必要があります。
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