Part1大便・小便はからだの調子を知らせるメッセンジャー:「うんこ文化センター おまかせうんチッチ」の活動

保健学博士、保健師・助産師・看護師
コンチネンスアドバイザー
榊原千秋

一部会員限定
ページあり!

2021年8月公開

2.気持ちよく出すために幸せで楽しくいることが大事

新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で、私たちの生活は大きく変わりました。みなさんは、日々「ほがらかに」お過ごしでしょうか? うつうつとしたこの時代、みなさんの「楽しみ」は何でしょうか?
幕末の福井の歌人で国学者の橘曙覧(たちばなのあけみ、1812~1868年)は、『橘曙覧遺稿 志濃夫廼舎(しのぶのや) 歌集』に「独楽吟(どくらくぎん)」という和歌を遺しています。橘曙覧の「独楽吟」とは、「たのしみは」で始まって「……とき」で終わる形式で詠んだ和歌のことです。わたしは3年ほど前に、北陸自動車道の福井県にあるサービスエリアのレストランでこの和歌と出会い、いつも「こうありたい」と小さな楽しみをみつけるようになりました。そのいくつかを紹介させていただきます。

  • たのしみは 空暖(あたた)かに うち晴(は)れし 春秋(はるあき)の日に 出(い)でありく時
  • たのしみは 朝おきいでて 昨日(きのふ)まで 無(な)かりし花の 咲ける見る時
  • たのしみは 常(つね)に見なれぬ 鳥の来て 軒(のき)遠からぬ 樹(き)に鳴きしとき
  • たのしみは 物(もの)識人(しりびと)に 稀(まれ)にあひて 古(いに)しへ今を 語りあふとき
  • たのしみは そぞろ読みゆく 書(ふみ)の中(うち)に 我とひとしき 人をみし時
  • たのしみは 雪ふるよさり 酒の糟(かす) あぶりて食(く)ひて 火(ひ)にあたる時
  • たのしみは 心(こころ)をおかぬ 友(とも)どちと 笑ひかたりて 腹(はら)をよるとき
  • たのしみは 三人(みたり)の児ども すくすくと 大きくなれる 姿(すがた)みる時

文献1より引用

次に、「しあわせ」について考えてみたいと思います。「しあわせ」を定義づけるのは難しいですね。音楽評論家で作詞家の湯川れい子さんが60歳のときにつくられたという『幸せの法則 あいうえお』は、私たちの暮らしの中のしあわせに気づかせてくれます。

    •  会いたい人に会いにいくことができる
    •  行きたいところに行くことができる
    •  うれしいことができる
    •  選ぶことができる
    •  おいしいものを食べることができる

(『幸せの法則 あいうえお』より一部改変)

文献2より引用

本当に会いたい人、心から行きたい場所、みんなで一緒に嬉しい、誰かが喜んでくれたらもっと嬉しい、何時に起きて、何を着て、何をするか……自分の暮らし、からだにも心にも響くおいしいもの。
この法則の最後に、「気持ちよく出すことができる」をプラスしたいと思います。「気持ちよく出す」ことは、この、幸せの法則の延長線上にあるのではないでしょうか。

引用文献

  1. 1.福井市橘曙覧記念文学館ホームページ:独楽吟.
    http://www.fukui-rekimachi.jp/tachibana/dokurakugin.html
  2. 2.元気web~いつまでも美しく輝くために~:音楽評論家・作詞家 湯川れい子さんインタビュー(2018年6月25日掲載).
    https://interview.genkiweb.jp/genki_no_wa/post-456/
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