「気持ちよく出す」ことを叶える排便ケア「気持ちよく出す」ことを叶える排便ケア

看護師が行うアセスメントやケアの方法を、様々な角度から解説しています。

Part1大便・小便はからだの調子を知らせるメッセンジャー:「うんこ文化センター おまかせうんチッチ」の活動

保健学博士、保健師・助産師・看護師
コンチネンスアドバイザー
榊原千秋

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2021年8月公開

3.“便秘”に対する誤解

ところでみなさんは、保育園や小学校のときの朝礼で、
「朝ごはんは食べてきましたか?」
「朝、お家でうんちしてきましたか?」
と聞かれて、手を挙げさせられませんでしたか?
実は、このことをきっかけに、“毎日うんちが出ない”と「自分は便秘なんだ」と思い込み、悩んでいる方にたくさん出会います。

腹部マッサージの実践研究のために、便秘で悩んでいる20人を募ったところ、そのうちの13人は2~3日おきにバナナ1本分程度の排便のある正常な方たちでした。毎日出なくては便秘だと思っている人のなかには、下剤を飲んで、下痢のような便を毎日出しているという方もいました。
世の中には、「うんちを出すこと」に一生懸命だけれども、「気持ちよく出す」ことには関心を持ってこなかったという人がたくさんいます。その一方で、「出なくて苦しい」と救急車で病院に運ばれる方も後を絶ちません。なぜ、こんなことになっているのでしょう。
その背景には、排便のことを話題にしづらい社会が影響していると考えられます。「便が漏れた体験は誰にも言えない。墓場まで持っていく」と。尿失禁に関しては、尿とりパッドのコマーシャルがテレビで流れる時代になりました。だからといって、自分の尿失禁のために尿とりパッドを買い物かごに入れるのは、やはり勇気がいるでしょう。

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