看護師が行うアセスメントやケアの方法を、様々な角度から解説しています。
保健学博士、保健師・助産師・看護師
コンチネンスアドバイザー
榊原千秋
2021年8月公開
骨盤底の筋肉の総称を「骨盤底筋群」といいます(図9)。恥骨と尾骨の間を、8の字を描くようにハンモック状につないでいます。直腸や膀胱、女性の場合は子宮などの骨盤内臓器を支える役割をしています。この骨盤底筋群は、排便の際に腹圧が加わったとき、直腸に腹圧を伝える支えとなる役割をします。便の排出時に腹圧は腹膜を押し下げますが、骨盤底筋群は下から支える役割を担っています。
高齢になると、筋力低下と骨盤底筋が緩むことで便を排出する力が低下します。そのため、便が直腸に残るため残便感を感じ、「すっきり出た気がしない」と訴える方が増えます。理学療法士らと連携し、腹筋や背筋や骨盤周囲の筋力アップ、股関節周辺と骨盤底筋が柔軟に動くよう働きかけます。
図9 骨盤底筋群の強み~つながる筋たち~
腹横筋・多裂筋・横隔膜(インナーユニット) | 姿勢の維持 |
---|---|
内閉鎖筋、梨状筋 | 大腿骨外旋 |
大内転筋、長内転筋 | 大腿骨内転 |
インナーユニット、腹斜筋、腹直筋 | 腹圧のコントロール |
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