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2023年6月公開
精神疾患患者への訪問看護師の対応の基本
4.利用者のニーズに寄り添う
東 美奈子
訪問看護 花の森 管理者
東 美奈子
訪問看護 花の森 管理者
訪問看護では利用者のニーズをしっかり把握しニーズに合った支援をすることも重要です。ニーズは時によって変わるものですから、けっしてルーティンワークをするのではなく、今ここで、何を望んでおられるのかをアセスメントしかかわることが重要です。
特に今困っていることがある場合には、その困りごとをしっかり聴き、できることは実践し解決すること、解決には至らなくても、困っていることをわかってもらえたと感じてもらえることが大切です。例えば、もう1か月以上入浴ができていない利用者から「日帰り温泉に連れて行ってほしい」と言われたらどうするでしょうか? 訪問看護の仕事じゃないから即座に断るという事業所が多いかもしれません。しかし、断る前に、なぜ温泉なのか? どうしてお風呂に入れなかったのか? 今日はなぜお風呂に入りたいと思ったのか? などしっかり理由を聴くべきだと思います。同時に、自分の事業所でできることとできないことはあらかじめ話し合っておくことが大切でしょう。
すべてのニーズを訪問看護で受け止めてかなえることは難しいかもしれませんが、かかわっているチーム(機関)でそれぞれがニーズに寄り添うことができる体制を作っておくこと、利用者にかかわっているチームで利用者のニーズに寄り添うことができるようにすることが大切です(図1)。
図1 アセスメント表の一例(想いのマップ)
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