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2023年6月公開
精神疾患患者への訪問看護師の対応の基本
5.夢をかなえるための看護計画
東 美奈子
訪問看護 花の森 管理者
東 美奈子
訪問看護 花の森 管理者
訪問看護師は利用者の人生の限られた、在宅医療が必要な時期にだけかかわる職種です。あくまでも自律(自立は外的要素での独り立ち、自律は内的要素での独り立ち)を目指した支援になるため、利用者自身の目標に向かって支援できる看護計画をしっかり作成する必要があります。
利用者と看護師が対話をしながら利用者自身の夢をかなえるために何ができるのかを考えていくとよいと思いますが、いきなり“夢”といわれてもなかなかはっきり言えるものではないかもしれません。まずはこれからどのような暮らしがしたいのかを聴き、そのためにどうするかを一緒に考えるという時間を持つべきです。ただし、訪問看護は医療サービスですから、訪問看護として何ができるのかを具体的に考えることが必要になります。「将来、〇〇がしたいから、そのために人と会話がうまくできるようになりたい」という希望を叶えるために、訪問看護で何をするのかという視点で考えることです。
利用者の言葉のなかでネガティブなものはポジティブに変換したり、利用者のストレングスを活かして考えたりする工夫は必要です。利用者自身がやる気になるような計画を立てることが望まれます。また、計画における目標は、測定可能なもの(できたかできなかったかが明確にわかるもの)であることや、数か月で達成できるものがよいでしょう。なぜなら、利用者自身も看護師も評価がしやすく、高評価だとやる気につながるからです。できたことが積み重なると自己肯定感が高まります。
図1 目標の立て方
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