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2023年6月公開
精神疾患患者への訪問看護師の対応の基本
6.クライシスな状況を回避するために
東 美奈子
訪問看護 花の森 管理者
東 美奈子
訪問看護 花の森 管理者
利用者と関係ができてきたら、クライシスプランを立てておきましょう(図1)。利用者にとってクライシスな状況とはどのような状況なのか、そのとき自分では何ができて、訪問看護師やその他の関係者に何がしてほしいのかを具体的に書いておきます。利用者自身が「自分の調子がよいとき」「少し悪くなりそうなとき」「調子が悪いとき」それぞれの状態像についてわかっておくことが大切です。そのうえで、それぞれの状態のときに誰に何をしてほしいのかを具体的に検討しておきます。
図1 クライシスプランとは
クライシスプランは、なるべく利用者自身で書いてもらうことが重要です。なぜなら、クライシスプランを使うときは状態が悪いときなので、「勝手に看護師が言っている」「看護師が勝手に作ったから自分には関係ない」などということになりかねないからです。利用者自身が納得してクライシスプランを作って張り出しておけることが大切です。
また、クライシスプランには、支援者の連絡先も明記しておきましょう。このプランを見たら、自分が困ったときにどうしたらよいかがわかるものであることが必要です。また、一度作ったらそれで終わりにせず定期的に見直すことも大切です。状態像も変化することがありますし、そのときの対処方法や対応する人が変わっていることもありますから、使えるクライシスプランを利用者自身のお守りのような感覚として作っておくとよいと思います。
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