2024年8月公開
Key point
高齢者は、水分の貯蔵庫である筋肉量の減少や、口渇感の鈍麻による水分補給の遅れ、加齢による飲食摂取量の減少、尿意が近いので水分補給を避ける、などの理由から、体液量が減少して脱水状態になりやすいと言われています。
また、従来から脱水症状として挙げられていた口渇感は出現しにくく、腎機能の低下に伴い尿濃縮力が低下するため尿の色が濃くならず、自律神経機能の低下で頻脈にもなりにくい傾向があります。
このような理由から、高齢者の脱水は、周囲が気づきにくく、発見が遅れがちになります。
高齢者の脱水を見つけるポイントは、まずは、いつもとの様子の違いに気づくことです。高齢者では、体調や様子の変化から大きな病気を疑う前に、常に脱水を気にすることがポイントです。そのうえで、脱水の症状をあらためて確認してみます。原因不明の微熱も高齢者では脱水症を疑うようにしましょう。
どの年齢にも共通する脱水の症状として、①中枢神経の異常(集中力低下、睡眠リズムの乱れ、頭痛など)、②消化器官の異常(食欲低下、悪心・嘔吐、便秘など)、③筋肉の異常(筋力低下、痛み、しびれ、麻痺)の3つの臓器症状が一度に出現する特徴があります。高齢者の脱水では、前述のとおり口渇感や尿の濃色増加などの症状が現れにくいため、脱水症が見つけにくいです。そのため、脱水に特徴的な、上記の3つの臓器症状の同時出現に着目する必要があるのです。
さらに、脱水では体のさまざまな部位に痛みを感じるようになります。
また、高齢者で、「新たな疲労感の出現・疲労感の増強」に加えて「食間に水分をほとんど摂取していない」という答えが得られた場合には、ほぼ脱水(感度71%、特異度92%)であることが明らかにされています。
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