Part2排泄

医療法人社団 博栄会 赤羽中央総合病院
博栄会グループ連携副部長、看護師長、皮膚・排泄ケア認定看護師
高橋麻由美

一部会員限定
ページあり!

2024年8月公開

【ディアケア プレミアム】排尿・排便ケア実践テクニック
【ディアケア プレミアム】排尿・排便ケア実践テクニック

2.多くの高齢者が訴える「根強い便秘」、その原因と対応法は

Key point

  • 便秘対策は単に便を出すだけでなく、気持ちよく排便するための調整も必要。
  • 便秘対策にはグァーガム分解物やビフィズス菌BB536の摂取、腹部マッサージが有効。
  • 排便姿勢にも注意。自然排便が難しい場合は受診を。

3日便が出なければ刺激性下剤、出なければ量を増やしていく…でも、出るときには下痢で困る。そんな排便管理をしていませんか?ここでは、ナースが行う高齢者の便秘対策について解説します。

高齢者を悩ませる便秘。便秘を訴える人の数は、年齢を重ねるごとに右肩上がりに増加します(図11。刺激性下剤は広く用いられていますが、腹痛や下痢などの副作用に加え耐性や習慣性もあり、「便通異常症診療ガイドライン2023」では必要最小限の使用にとどめ、できるだけ頓用または短期間の投与とするとされています2

図12022年国民生活基礎調査 性 年齢階級 症状別に見た有訴者率(人口千対)
図1  2022年国民生活基礎調査 性 年齢階級 症状別に見た有訴者率(人口千対)

(文献1より引用)

では、そもそも「3日出なければ便秘」なのでしょうか。便秘は「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状態・硬便、排便回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責、残便感、直腸肛門の閉塞感、排便困難を認める状態」と定義されます3。ゆえに、単に便を出すだけでなく、気持ちよく排便するための調整も求められます。

便秘対策は、排便のための3大要素(図2)にアプローチします。

図2適切な排便のための3大要素
図2 適切な排便のための3大要素

(文献4より引用)

「気持ちよく出す」ことを叶える排便ケア

(ナースのための)危険な病態につなげない!“重篤な便秘”を見抜く・ケアする

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