A.皮膚に対する外力により、また水分バリアの破壊によってさまざまな皮膚障害が現れます。
上出良一
2018年6月公開
皮膚への直接的外力は、皮膚の断裂、切断などをもたらし、擦過創、ざ瘡、切創となります。圧迫が長時間にわたれば組織は壊死に陥り褥瘡となります。大きな動脈の血行阻害が生じると、その部位より末梢の組織は壊疽に陥ります。皮膚表面に対する慢性的な機械的刺激は、角質層の肥厚をもたらし胼胝を形成します。また、繰り返す掻破により表皮全体が肥厚すれば苔癬化となります。
外部環境の乾燥、過剰な洗浄などによる皮膚水分バリアの破壊は、角質層の乾燥化、粗造、亀裂をもたらし、悪化すれば炎症が起こります。逆に、過剰な水分や湿気により角質層は膨潤し、白色でふやけた浸軟となります。熱や寒冷が加われば熱傷、凍傷となり、程度に応じて紅斑、水疱、壊死を生じます。
病原体、化学物質はいずれも生体にとって異物であり、それらが皮膚に侵入すれば皮膚はそれを排除しようとして炎症を生じます。異物の毒性による場合と、特異的な免疫反応が生じる場合があります。いずれも紅斑、腫脹を生じ、さらには表皮を異物ごと除去しようするためびらんが生じます。
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Part1 健康な皮膚と異常な皮膚
Part1
健康な皮膚と異常な皮膚
Part2
皮膚のアセスメントとスキンケアの基本テクニック
Part3
ハイリスク・スキントラブルへの対処