A.ストーマ周囲皮膚炎の原因を絞り込んで対処法を見出します。
小林直美
2018年6月公開
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ストーマ周囲皮膚炎では、皮膚炎を起こした原因をアセスメントし、原因に合わせた対処法が必要です。ストーマ周囲皮膚炎の原因には、①便や尿など排泄物の付着による接触性皮膚炎、②粗雑な面板の剥離などによる機械的外傷、③不十分なスキンケアなどによる感染、④原疾患に関連する皮膚病変などが挙げられます。装具交換時、剥がした面板とストーマ周囲皮膚を見比べ、ストーマ周囲皮膚炎が起こっている部位に何が当たっていたか観察します(図1)。これによりストーマ周囲皮膚炎の原因を絞り込み、対処法を見出す手がかりを導くことができるからです(図2)。
図1ストーマ周囲皮膚の部位
図2便の潜り込みによるストーマ周囲皮膚炎

近接部の皮膚炎の原因は、排泄物の付着が多いため、皮膚保護剤の浮き、皮膚保護剤の溶解の程度、排泄物の性状、ホールカットサイズを確認します。
排泄物の付着を減少させるには、以下のようなポイントがあります。
皮膚保護剤部の皮膚炎の原因は、面板の剥離や凸面装具の圧迫などによる機械的刺激、不適切なスキンケアによる感染症、皮膚保護剤の組成による化学的刺激などが考えられます。皮膚保護剤には耐久性があり、これより短い間隔で装具交換すると面板の剥離刺激が強くなります。適切な交換間隔を守り、面板は剥離剤を使用してやさしく剥離します。一方、皮膚保護剤の耐久性を超えて長期間使用すると皮膚保護能がなくなり、「ただの粘着剤」になってしまい、これも皮膚炎を起こす原因になります。適切な交換間隔を守り、スキンケアは愛護的に実施します。
装具交換間隔は皮膚保護剤の耐久性に加え、剥がした面板の裏側の状態で設定します。皮膚保護剤が10mm以上溶解していれば交換間隔を1日早め、10mm未満の溶解でも耐久性を過ぎたら感染予防のために交換します。
凸面装具を使用している場合は、過度な深さの凸面が圧迫となって皮膚炎の原因になることがあります。凸面装具が必要か、凸面部分の適切な深さ・硬さ・形状を再検討します。
皮膚保護剤の組成による化学的刺激が原因の場合は、他メーカーの装具など組成の異なる皮膚保護剤に変更します。皮膚保護剤外部の皮膚炎の原因は、医療用テープ使用による剥離刺激やベルトなどの固定具による摩擦、不適切なスキンケアが考えられます。適切なテープの選択、愛護的な剥がし方、ベルトなどの適切な使用方法を検討します。また、夏季はストーマ袋の裏打ち部分に汗疹を起こすことがあります。ストーマ袋のカバーや腹帯を使用するなど、汗による蒸れ対策を検討します。
その他、抗がん剤や放射線療法など特別な治療による体調・体質の変化によって皮膚炎を起こすこともあります。愛護的スキンケアに努め、皮膚炎悪化時は皮膚科受診などを検討します。
ストーマ周囲皮膚炎は、原因が除去できれば比較的すみやかに改善します。皮膚炎の部位から滲出液がある場合は、粉状皮膚保護剤や用手成形皮膚保護剤を併用して滲出液を吸収し、その上から面板を貼付します。皮膚障害の程度が強い場合や、疼痛や掻痒感がある場合には皮膚科受診を検討します。
ストーマ周囲に外用薬が必要な場合は、可能な限りローションタイプの処方を依頼し、軟膏、クリームタイプが処方された場合は、塗布後、しばらく時間を置いてから軽く拭き取り、その後に面板を貼付します。
ストーマ周囲皮膚障害の重症度評価スケールである「ABCD-Stoma®」1を用いて採点することで、ストーマ周囲皮膚炎の重症度が評価でき、必要なスキンケア方法を導き出すことができます。なお、この冊子は日本創傷・オストミー・失禁管理学会のホームページからダウンロード可能です。ストーマ周囲皮膚炎は疼痛や掻痒感だけでなく、ウェルビーイングを低下させます。原因に合わせた対処とともに、今後の見通しや相談先を伝えてフォローします。
引用・参考文献
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皮膚のアセスメントとスキンケアの基本テクニック
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ハイリスク・スキントラブルへの対処