A.皮膚の内外からの障害因子に順応できない場合にスキントラブルが起こります。
上出良一
2018年6月公開
スキントラブルといわれるものは、主に女性が顔面皮膚の被刺激性亢進、乾燥、粗造、痒み、赤みなどの軽度なものを訴える場合が多いでしょう。皮膚は身体の恒常性が適切に保たれていれば、多少の環境変化にも時間がかかることはあるにしても、次第に順応して健常な状態を保つことができます。しかし、内外からのさまざまな障害因子が強く、あるいは持続すると、順応しきれないこともあります。特に、空気の乾燥は大きな影響をもちます。密閉化された現代の生活環境は乾燥を起こしやすい状況です。内的因子では、ホルモンや自律神経のアンバランスも悪影響を与えます。
皮膚、特に顔面の異常を訴えてくる患者の問診で浮かび上がってくるのは、日常生活におけるストレスの問題です。最も多いのは仕事上の過重労働です。人間関係のストレスも悪影響を与えます。それに伴い生活リズムの乱れや睡眠不足が生じます。顔面、項部、頸部の痒み、ニキビの新生、脂性の皮膚、フケなどが生じやすくなります。ほとんどの患者は空気の乾燥を原因と考え、スキンケアとして何か塗ることで解決しようとして、しばしば過剰保湿に陥ります。しかし、本質は「心」が乾いているのです。
肌状態がよくないと感じたら、外に原因を求める前に、まず自身の生活内容を客観的に見直してみることが大切です。
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Part1 健康な皮膚と異常な皮膚
Part1
健康な皮膚と異常な皮膚
Part2
皮膚のアセスメントとスキンケアの基本テクニック
Part3
ハイリスク・スキントラブルへの対処