A.菲薄化しバリア機能の低下した皮膚への洗浄、保湿、損傷の予防を行います。
杉本はるみ
2018年6月公開
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浮腫(edema)とは、細胞外液のうち特に組織間質液が増加している状態をいい、「全身性浮腫」と「局所性浮腫」に分けられます(表1)。全身性浮腫は、心性、肝性、腎性、内分泌性、薬剤性などの全身性疾患に伴い四肢や体幹部などに浮腫が出現しますが、原因疾患が治癒すると改善します。浮腫の左右差はありません。局所性浮腫は、リンパ管閉塞、静脈血栓、遺伝性血管神経性、アレルギーや炎症などで発生し、局所性で浮腫の左右差はみられることがあります。
表1 浮腫の分類
横にスクロールしてご覧いただけます。
| 分類 | 病態 | |
|---|---|---|
| 全身性浮腫 局所因子と全身性浮腫が組み合わさって発症する |
心性浮腫 |
うっ血性心不全 |
肝性浮腫 |
肝硬変非代謝期にみられる腹水と浮腫 |
|
腎性浮腫 |
急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、慢性腎不全など |
|
内分泌性浮腫 |
粘膜水腫、月経前浮腫、インスリン浮腫など(甲状腺機能低下症などの内分泌疾患にみられる浮腫) |
|
特発性浮腫 |
原因不明の浮腫(20~40歳代の女性に多くみられる) |
|
栄養障害性浮腫 |
脚気、毛細血管透過性亢進、心不全、低蛋白血症 |
|
医原性浮腫 |
薬剤性(NSAIDs、カルシウム拮抗薬など) |
|
| 局所性浮腫 局所因子が主因で発症する |
静脈性浮腫 |
静脈血栓症ならびにその後遺症(通常は一側患肢の著明な腫脹と緊満性疼痛) |
リンパ性浮腫 |
原発性、続発性(がん、外傷、静脈血栓症) |
|
遺伝性血管神経性浮腫 |
補体C1阻止因子欠損による血管透過性の亢進で起こる皮膚・気道・消化管などに反復する局所的な非圧痕性の血管性浮腫 |
|
間宮直子:浮腫.日本創傷・オストミー・失禁管理学会編,スキンケアガイドブック.照林社,東京,2017:60.より改変して引用
問診・視診・触診(表2)と、血液検査、尿検査、画像診断などの検査結果を用いて、浮腫の状態をアセスメントします。
| 問診のポイント |
|
|---|---|
| 視診のポイント |
図1浮腫の左右差(リンパ浮腫) ![]()
|
| 触診のポイント |
図2圧痕性浮腫(pitting edema)
|
図3皮膚の菲薄化と乾燥

浮腫は、皮膚や皮下組織に過剰な組織間液が貯留した状態であるため、皮膚は菲薄で外力による損傷を受けやすいです。皮脂の分泌低下や水分保持能力も低下するため、皮膚は乾燥し、バリア機能が低下します(図3)。また、血流障害のため末梢の酸素供給・栄養不足、皮膚温の低下、皮膚の免疫力も低下するため、小さな傷からも細菌感染を起こすリスクが高くなり、皮膚の「清潔」「保湿」「損傷の予防」は重要です。
図4前腕に生じた抑制帯による損傷(シリコーンゲルドレッシング材の貼付)

図5リンパ瘻部位に撥水性クリームの塗布

引用・参考文献
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Part3 ハイリスク・スキントラブルへの対処
Part1
健康な皮膚と異常な皮膚
Part2
皮膚のアセスメントとスキンケアの基本テクニック
Part3
ハイリスク・スキントラブルへの対処