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知っておきたいストーマのセルフケア方法
ストーマ装具、皮膚保護剤以外のストーマ用品

2022年8月更新(2015年5月公開)

ストーマ装具と皮膚保護剤以外にもさまざまなストーマ用品があります。その中でもよく使われる固定具、粘着剥離剤、洗浄剤、皮膚被膜剤、消臭剤、腹帯・パウチカバーなどを覚えておきましょう。ストーマ周囲の皮膚トラブルを防ぐためにも必要な知識です。

固定具

装具を固定するのに用います。固定具には、ベルト・プレートの他、粘着テープ、ヘルニアベルト、ヘルニア補正用下着なども含まれます。

1)ベルト・プレート(図1)

ベルトは、ストーマ装具の密着を高めるためにベルトを連結部に引っ掛けて使用します。

ベルト
プレート

図1 ベルトと連結部の構造

2)粘着テープ

粘着テープは、面板の外縁がめくれる場合や入浴時の皮膚保護剤の溶解を防ぐときなどに、面板の外周部に使います。ストーマ用のものでなく、市販のものも十分に使用できます。

3)ヘルニアベルト(図2)

ヘルニアベルトやヘルニア補正用下着は、傍ストーマヘルニアで腹部の膨らみが外観上気になる場合や、腹圧によるヘルニアの悪化を予防する場合に使用します。

ヘルニア補正用下着は、男性用と女性用に分かれており、ウエスト(ヘルニア部の胴回り)によってサイズがあります。

ヘルニアベルト

図2 ヘルニアベルト

粘着剥離剤

粘着剤や皮膚保護剤を皮膚から剥がすときに使うストーマ用品です。皮膚に付着した粘着剤などが剥がしやすくなり、剥離の際の刺激をやわらげます。粘着剥離剤は皮膚に残ると装具の粘着力が低下するので、使用後は十分に洗浄します。

成分としては、アルコールを含有したものと含有していないものがあります。

形状は、スプレータイプ、ワイプタイプ、ボトルタイプがあります(図3)。

スプレータイプ ワイプタイプ ボトルタイプ
スプレータイプ ワイプタイプ_接着面と皮膚との間に剥離剤をなじませながら剥がす ボトルタイプ

図3 粘着剥離剤の形態

洗浄剤

ストーマ装具を交換する際にストーマ周囲皮膚を洗浄するために使用します。皮膚への刺激が少ないものを選びましょう。

拭き取るタイプの洗浄剤は、拭き取るだけで水を使用しなくてもよいものです。ガーゼ等に取ってから皮膚に使用するものと皮膚に直接つけるものがあります(図4)。

拭き取るタイプの洗剤の種類

図4 拭き取るタイプの洗剤の種類

皮膚被膜剤

皮膚被膜剤は、皮膚の表面に薄い膜を作り、排泄物の付着やテープなどを剥がすことによる外的刺激等を防ぐために使われます。面板の外縁部にテープを貼る場合や、テープ付きのものを使う場合に使用されます。皮膚保護剤が当たる部分は使用しません。

皮膚被膜剤には、アルコール性のものと非アルコール性のものとがあります。形状的には、個包装のワイプタイプ、スプレータイプがあります。

消臭剤

排泄物の臭いを軽くするために用います

袋の中に入れるタイプ(図5)、排泄物を処理する前後に空中噴霧するタイプ、ストーマ装具に被せて消臭するタイプがあります。

ストーマ袋の中に入れるタイプのものには、液状でボトル入りのものと1回分に分包されているもの、潤滑剤の効果を併せ持つもの、粉状で1回分ごとに分けられているものがあります。

排出口を持ち上げる 注入後、ストーマ袋全体になじませる

図5 消臭剤(袋の中に入れるタイプ)

腹帯・パウチカバー

ストーマ袋が直接、皮膚に接触する不快感を低減するために使います。腹帯やパウチカバーを使用することによりストーマ装具との接触による皮膚障害を予防できます。また、中の排泄物を目立たなくすることもできます。

腹帯はストーマケア専用のものも販売されていますが、市販のものを使用している人も多くいます(図6)。

パウチカバーは販売されているもののほか、手作りのパウチカバーやガーゼのハンカチなどを代用して使用してもよいでしょう。

腹帯チューブの使用例

図6 腹帯チューブの使用例