ストーマケア・ナーシング メニュー

ストーマの術前・術後ケア
術後早期合併症

術後早期合併症には、表1のようなものがある。術後早期合併症を防ぐために表2の点を観察する。

表 1 ストーマ早期合併症と対策

種類 所見 原因 対策
ストーマ粘膜部 ストーマ壊死
(循環障害)
粘膜が部分的、あるいは全体的に黒色となり、硬く、光沢がない ストーマを造設する際に、腸管や腸管粘膜を過度に伸展することによって、腸辺縁の血管に血流障害が生じる ストーマの色の変化やその範囲を注意深く観察する
ストーマの浮腫 粘膜が弾力性に欠け、硬い 腹壁切開口が狭く、腸管が締め付けられ軽度の循環不全が生じる 装具交換時にストーマを傷つけないように注意する。皮膚保護剤の穴の開け方やフランジのサイズを調整する
ストーマ粘膜
皮膚接合部
ストーマの出血 静脈性の持続的な出血。凝結し血餅を伴う 術中の不十分な止血操作に伴う 多くは自然に止血するが、止血しない場合には出血部位を縫合止血する
ストーマ創感染 ストーマ周囲の皮膚に境界不明瞭な局所の発赤、硬結、疼痛、熱感がみられる 術中汚染、術後の不適切な管理、低栄養状態等に伴う 装具を交換または2品系装具を使用し、毎日創を洗浄する。離開部位に皮膚保護パウダーやアルギン酸等のドレッシング材を創の状態に応じて選択する
ストーマ粘膜
皮膚離開
ストーマ壊死や創感染などに伴いストーマと皮膚を縫合している糸がはずれて離開し、開放創となっている状態 ストーマ壊死や創感染に続発して生じることが多い

表 2 術後早期合併症を防ぐための観察点

1.粘膜の変化、浮腫と循環障害 ・壊死(血流障害) ・浮腫 ・出血
2.粘膜皮膚接合部の観察 ・出血 ・創感染 ・粘膜皮膚離開
3.ストーマ周囲皮膚 ・接触性皮膚障害 ・蜂巣炎
4.近傍創の観察 ・正中創 ・ドレーン創感染 ・離開

ストーマ手術創は一般的な手術創とは大きく異なっている(図1)。

通常手術の縫合は、皮膚と皮膚や腸管と腸管などのように同じ組織で縫合するが、ストーマ創は皮膚と腸管(尿管)というように違った組織を縫合する。そのため、癒合に時間を要し、癒合後も些細な刺激でストーマ粘膜皮膚離開など破綻しやすい創と認識してケアをしなければならない。

図1 一般的な手術創とストーマ創

図1 一般的な手術創とストーマ創

消化管ストーマ造設術後は、ストーマ創(汚染創)の周りに清潔創やドレーンがあり、排泄物の汚染により創感染を引き起こす危険がある。

腹会陰式直腸切断術や骨盤内臓器全摘出術では、肛門とその周囲も摘出するため、会陰部に手術創(会陰創)ができる(図2)。

会陰創は体動や体位によって張力がかかりやすく、癒合に時間を要し、痛みを生じ歩行に支障が出ることもある。

図2 腹会陰式直腸切除術の術後創

図2 腹会陰式直腸切除術の術後創

尿路ストーマ造設術後は、尿管と回腸の縫合不全予防や、吻合部狭窄による腎盂への尿の逆流、逆行感染、水腎症を防止するために、ストーマから左右の腎盂までカテーテルが挿入されている(図3)。

このカテーテルは吻合部の癒着状況を確認して抜去されるが、尿管皮膚瘻においてはカテーテルを挿入して継続管理する場合もある。

図3 尿路ストーマ造設後はカテーテルを挿入

図3 尿路ストーマ造設後はカテーテルを挿入

ストーマ造設が必要な骨盤内手術においては、術後合併症として排尿障害性機能障害が起こりうる。

消化管ストーマを造設して排尿障害が生じると、自己導尿やカテーテル留置が必要な場合がある。

性機能障害については、退院後に問題が表面化してくる場合がある。

文献

1.ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編:ストーマリハビリテーション-実践と理論.金原出版,東京,2006:166-171