2015年5月公開
1. 消化管ストーマの種類(分類)(表1)
消化管ストーマの分類としては、「造設期間別」「造設部位別」「開口部の数」によるものがある。
期間別の分類では、「永久的ストーマ」と、後に閉鎖される「一時的ストーマ」がある。
部位別では、大きくは「結腸ストーマ」と「回腸ストーマ」に分類される。さらに造設される消化管部位によって、それぞれ「盲腸・上行結腸ストーマ」「横行結腸ストーマ」「下行結腸ストーマ」「S状結腸ストーマ」に分類され、体外に誘導する消化管の部位によって腹部に造設される位置も異なる。
開口部の数別では「単孔式ストーマ」と「双孔式ストーマ」、機能別では「禁制ストーマ」「非禁制ストーマ」というように分類される。
| 期間・目的による分類 |
永久的ストーマ 一時的ストーマ |
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|---|---|---|
| 部位・臓器による分類 | 結腸ストーマ |
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盲腸・上行結腸ストーマ![]() |
横行結腸ストーマ![]() |
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下行結腸ストーマ![]() |
S状結腸ストーマ![]() |
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回腸ストーマ |
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その他 |
食道瘻 胃瘻 空腸瘻など |
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| 開口部の数による分類 |
単孔式ストーマ |
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双孔式ストーマ |
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係蹄式(ループ式ストーマ) |
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分離式ストーマ |
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二連銃式ストーマ
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完全分離式ストーマ
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| 機能による分類 | 禁制ストーマ |
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非禁制ストーマ |
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ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編:ストーマリハビリテーション-実践と理論.金原出版,東京,2006:42.表4-5を元に作成
2. 尿路ストーマの種類(表2)
尿路ストーマは、尿道以外から尿の排泄経路を確保するために行われる尿路変向術の結果造設される。尿路変向術は尿路における病巣や障害の部位によって術式が検討される。
腎瘻や膀胱瘻は尿路変向術の一つであるが、ストーマは造設されず、経皮的にピッグテールカテーテルや腎盂バルーンカテーテル、膀胱バルーンカテーテルを留置する。
ストーマが造設されるものには、尿管皮膚瘻と回腸導管がある。尿管皮膚瘻は、尿管を直接腹部に誘導して造設される。回腸導管は、遊離した回腸の一部に尿管を吻合し、導管である回腸の一端を腹部に誘導してストーマが造設される。これらは、いずれも「非禁制ストーマ」であり、常に尿の流出があるために採尿袋を必要とする。
「禁制ストーマ」には、コックパウチ、マインツパウチ、インディアナパウチといった、消化管を利用した代用膀胱を造設し、ストーマからカテーテルを用いて導尿を行うものなどがある。
| 非禁制ストーマ |
腎瘻 膀胱瘻
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要カテーテル 要カテーテル |
|---|---|---|
尿管皮膚瘻
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要カテーテル カテーテルが不要な術式もある |
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回腸導管
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| 禁制ストーマ | コックパウチ マインツパウチ インディアナパウチ |
要導尿 |
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