2015年5月公開
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ストーマサイトマーキングの基本と応用
“一歩踏み込んだ”マーキングの実際
1. 必要物品(図1)
ストーマサイトマーキングに必要な物品は以下のようなものである。
図1 必要物品
マーキングディスク(成人標準体重用:7㎝、肥満者用:7.5㎝、小児用:6㎝)
測定用定規(またはノギス)
水性ペン:一時的に基本ラインに使用するもの
油性ペン・皮膚ペン:消えないようにポイントするもの
アルコール綿
カメラ
袋
タオル
2. 手順
仰臥位で、腹部全体の観察を行う。瘢痕やくぼみの有無を観察する。
水性ペンを使用して基本ラインをマークする。
左右肋骨下縁
予定正中切開線
臍の位置・ベルトライン
左右上腸骨棘などの骨突出部
腹直筋を確認し、腹直筋外縁に線を引く。
腹直筋を確認する
腹直筋を確認する
腹直筋外縁に線を引く
マーキングディスクを腹部の安定する位置に置く。
座位になってマーキング位置を観察する。
本人の見える位置か
瘢痕やしわのない位置か
仰臥位で見られなかったしわやたるみを確認し、安定面が得られるように、ディスクを用いながら、位置を修正していく。
立位でマーキングした位置を観察する。
本人が見える位置かどうかの確認
ベルトラインの確認
あらゆる体位で適当な位置か確認する。
仰臥位・座位・立位・屈曲位において適当と判断できる位置を選び、油性ペンまたは皮膚ペンで印をつける。
医師の確認後、マーキングの位置を計測しておき、記録する(臍からの距離・正中線からの距離、腹直筋外縁からの距離)。
臍からの距離の確認
正中線からの距離の確認
腹直筋外縁からの距離の確認
不要な線を消す。
医師から、手術時の状態によってはストーマサイトマーキング位置と異なる部位に造設せざるを得ないことがあることについて説明してもらう。
*
理想的なストーマ位置は、クリーブランドクリニックのストーマサイトマーキングの原則を満たしていることとするが、その位置が不適切な場合にはさまざまな条件を考慮のうえ医師と検討する。
患者自身に「よく見える」「ケアをしやすい」ことを基本に装具装着のための平面が得られる位置であることがマーキング位置を確定するためには必要である。
3. マーキングの評価
術前の記録をもとに、術直後はストーマがマーキングした位置に造られたかどうか計測し確認をする。
マーキング位置よりもずれている場合は、執刀医にその理由を確認する必要がある。
引用文献
1.日本ストーマリハビリテーション学会編:ストーマリハビリテーション学用語集第2版.金原出版,東京,2003:67
参考文献
1.徳永恵子監修:最新ストーマケア・マニュアル.医学芸術社,東京,2007:30-34
2.日本ストーマリハビリテーション学会編:ストーマリハビリテーション学用語集第2版.金原出版,東京,2003
3.松原康美編著:ナーシング・プロフェッション・シリーズ ストーマケアの実践.医歯薬出版株式会社,東京,2007:13-15
4.ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編:ストーマリハビリテーション-実践と理論.金原出版 東京,2006
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